フローリングの床に敷いたふとんに寝転がったまま、手を伸ばした指先で、枕のすぐ上の窓のカーテンを開ける。寝返りも辛い腰痛が続いている。枕もとのリモコンで常夜灯を消し、別のリモコンでテレビをつける。
7時過ぎ。もそもそと起き上がり、着替え。
山荘風につくられた居間に介護用ベッドが陣取り、残りの空間にこたつを置き、そのまた残りの、テレビのすぐ前に自分用の布団を敷いた。訪問者がいる日はざっくりと折りたたむが、ふだんは敷きっぱなし。
だらしないけど他にアイディアはないしなあ。とりあえず、を受け入れるうちに日常となったのは、これだけではない。
そうやって新しい日常がデザインされていくのね。いくのよ。
生活に使わなくなった二階に上がり、ふたつの窓を開け、神棚の水を取り替え、二礼二拍手一礼し、ふたつの窓を閉める。
ベッド横の袋に溜まった父の尿の目盛りを読み、トイレに流す。
朝食を作る前の、これがルーティン。こんな日々が来るとはね。
腰は痛いし。胃の周りはずっと凝っている感じですよ。
心のどこかを押し殺した鈍い自分がいる。でもだって仕方ないじゃないねえ。
それでもいろんな方たちのおかげさまで、どうにか居られる。一時期よりはかなりマシになったし。なんの罰ゲームだよ~?とか思っていた日々もあった。
さて。これだけの文章すら、一気に書けない。
だらだらと雑用がある。
だけど書いてみると少しデトックスされる気持ちがあるので、少しずつ書いていければと思う。これまでのこと。この先のこと。
ひとりひとりに説明するのがうっとーしくて、SNSで「介護はじめました」と友人らやいとこたちに告白したのは、3/25。介護ベッドが入った日。
これは隠すことではないし。ひとりでは抱え込めないことだし。だから共有したい友人がいたらつながりたいかな的な気持ちがあったかな。
子育てみたいに気軽に話せるような社会になってほしい的な想いもあったかも。
見知らぬ方からの「いいね」もあり、でも見知らぬ方とこの重さを共有するには、まだ自分は初心者過ぎるなと思う。
過去の介護生活を公表していない友人の「いいね」が染みた。これだな、この感じだな、わたしが欲しかったのは。
ゆるゆると頑張ります。や、ゆるゆると頑張るしかないよねえ。