あちこちで追悼文をおみかけするので、自分も少しだけ語りたくなっちゃった。
昔々。12月のニューヨークで、まあミュージカルはいい席で10本だか観たけど、なにしろ貧乏旅行なので、総菜を買いによくデリに行った。うん。総菜買って、連れたちとホテルで食べてた。
その時お会いしたのですよ。デリで。
一緒にいた友人が舞台の裏方さんで、仕事でご一緒したことがあるとかで、一応ご挨拶するというので、
はい、ノコノコついてった。
小澤さんは1リットルのパック牛乳を手に持ってらした。牛乳ですか? うん、明日の朝用に。(え~ご自分で買うんかい)
どちらで指揮されるんですか? メットで。えーあーその日はチケット取っちゃってる~ や、どのみち、もうチケットないんじゃないかな。
今考えると、それなりのスゴさを秘めた会話(メットにソルドアウトだよ!)だが、当時はただもう喜びでしかなかった。
帰国して、片っ端から言いふらした。すごいうれしかった。フランクでステキだったよ~ 牛乳だよ、牛乳!
で。
当時のわたしは、周囲のおとなたちを納得させるため、お見合いをしまくってたのだが、当然、直後の相手にも話した。
そのときの相手は、横を向き、なんだよ住む世界が違い過ぎるじゃないかと吐き捨てた。そうですか、世界の小澤とお付き合いがありますか。
はあ?とも言えず、しおらしく、そんなんじゃないです。たまたま会えて、お話してくださったのがうれしかったって話です。とか言ったけど、
今、思い出して。
あの男はわたしにマウントを取りたかったのか? それが予定外のエピソード聞かされて不機嫌になった?
なるほど。住む世界が違いすぎだわ。無理。
あの頃は、うれしいことを一緒に喜べない価値観じゃお付き合いはチョット、くらいにしか思わなかったがな。
ちなみに。お見合いは母のヒステリーを鎮めるためだったので、一度お会いしては、全部お断りしてました。バブリーだったね。かなり嫌な思いもしたよ。ま、失礼はお互い様ということで。