あとりえあげん

劇作家・ミュージカル関連のコミックエッセイスト・多摩美校友会理事 活動ベースは三軒茶屋ですが八ヶ岳の別荘で在宅介護はじめました☆

[ブログ版] 世田谷区三軒茶屋で隠居してます。ときどき劇作家。HPはコチラ http://agen.web.fc2.com/

波の音のように

夕べはめずらしく、さわさわして寝つきが悪かった。

 

眠れないけれど不快ではなく、

マンションの建物の向こう側が接している世田谷通りの車の音が、なんとなく波の寄せ返しに聞こえ、

シーツではなく、ふんわりと砂にくるまれている感覚だなあと思いながら、からだをゆるやかに丸め、

 

あたたかく揺すられている感覚。

 

宇宙に波打ち際があるはずもないけれど、そんな感じ。

 

ゆりかご? 

 

解放というよりかは、受動。

 

 

 

 

今日は高速バスの中で、小説をネット立ち読み(サンプルとして冒頭だけ読める)してた。その中の一作は、認知症の父親と反目している娘の話で、

はいはいとか、いやいやとか、突っ込みながら、

数か月前の自分と重ねて、(あえて)生々しく心から血を流し。だらだらと。

 

 

ふと目を上げて窓の向こうの風景を眺めながら、

ようやく、他人事のように、父を悼んでいる自分に気づき、

涙ぐみそうになった。

 

ようやく、自分が緩み始めているのだなと感じた。

 

 

 

 

人は皆、かわいそう。

 

 

 

だから時には、大きな何かに身をまかせ、たゆたう。