あとりえあげん

劇作家・ミュージカル関連のコミックエッセイスト・多摩美校友会理事 活動ベースは三軒茶屋ですが八ヶ岳の別荘で在宅介護はじめました☆

[ブログ版] 世田谷区三軒茶屋で隠居してます。ときどき劇作家。HPはコチラ http://agen.web.fc2.com/

ストリートアーティスト・アカデミー レクチャー第4回

4年前に橋本Pが、プロの大道芸人向けのアカデミーを始めるとおっしゃったとき、潜り込みたい!とは言ったけれど、プロの大道芸人じゃないからだめ!と即答されて。

それが今年はようやく、一般人に解禁講座!となったのに!

自分の都合がつかなかったりで、最終回にだけ参加できました。

 

この回は登壇が、

大道芸プロデューサー/橋本隆雄さん

アーツカウンシル東京機構長/三好勝則さん

司会は乗越たかおさん

ときどき高萩さん/東京芸術劇場副館長(昔はSePTの、プロデューサー?)が口を挟むという、めちゃ刺激的でステキなレクチャーでした。

 

 

www.geigeki.jp

 

 

そして話題になった中で、わたしに強く響いたのは3点です。

「文化支援(特に三好さん)」

「(橋本さんが望む)大道芸人とは」

「普及スタッフを育てる大切(乗越さん)」

 

で。以下は、わたしの覚書。

 

■文化支援

・誰がどういうアートを求めているかを具体的に分析し、

・街づくり(すみよい街とは何か?)と、人づくり(心豊かな暮らしとはどんなか?)を目指し、

・それを踏まえたうえでのアーティストの支援と環境づくりを考える。

・街かどですぐにアクセスできるアートを届けるためには、商業施設や商店会とのつながりを考える。

・日常的な風景の中に響くストーリーを考える。

・劇場と街(劇場に来ない人々 )をつなぐ。閉ざされたアートではなく、オープンであること。

※でさ。これらはね、大学校友会の助成テーマにもスゴクつながる気がしたのよ!

 

■アーティストの質

・謙虚さ。素朴。個人としての魅力。成長し続ける未知なる人材。可能性。

・見物と、個人(一対一)として対峙できるか。

・街角で偶然に居合わせた人々を、明確に、感動させ、ふんわりと豊かに幸せにできるか。(説得力や魅力?)

大道芸人をその意識レベルに育てるよりも、大劇場にいる超一流たちが街角に出て自己表現してみせたほうが、テアトル・ド・リュ(路上劇場)としての近道かもしれなくない?とか、思いました。

・そして見物の心を動かすために、そこで、何を、表現するか。

 

■普及のための人材

・橋本さんの跡を継ぎ、大道芸文化を強力に売り込めるスタッフ(団体システム?)を育てる必要。

・自分の言葉で大道芸をセールスできる人材の育成。

・乗越さんはしきりに「ファクトリー」という言葉を使ってました。このへんは、たぶん、SePTの酒井さんが秘めてる構想につながりそう。

その説得性を持つ自分の役目!と橋本さんが言い、乗越さんがそれなりの人数のスタッフを育てましょうよと繰り返し。わたしの感覚だと、隆平Pを中心にNPOとかを立ち上げれば?とか思い、

でも劇団化(思想やシステムの一本化)してはいけないのだろうな、とか思う。

・講座のあと橋本Pと話した時、演劇と音楽と制作が身についている人材じゃないと!とも言ってました! まあ、何よりも情熱かな。

 

 

その他、東京オリンピックでの大道芸の役割の可能性とか、

東京都の支援をいかに引き出すかとか。

 

2時間とは思えない、政策と芸術をつなぐボリューミーな内容でしたよ。

こーいうの、もっともっと聞きたいわ~

 

 

 

ミュージカル『レベッカ』 5回め

拝見したのは木曜日ソワレです。

もしかしたらこの日、史上最高の『レベッカ』を観たかもしれません。この作品が、こんな風合いに育つと、誰が思っていたかしら。

大がかりな装置もなく、ミュージカルにしては人数も多くはない。けれど、ここまでの大カタルシスを持つミュージカルに育ったことが、とてもうれしいのでした。

 

あのね。わたしはわがままなので。なんで演出家さんはこれでよしとされてるのかなぁと感じる箇所は、まだね、いくつか残るのですが、
それを飛び越えて、心動かされる舞台になってたと思うのです。

 

主だったキャストのみなさんが、バケるっていうのかしら。力強い、とてもつきぬけた芝居になってらして。

何よりも、特に圭吾さんかなぁ。すっごく楽しそうに舞台に存在してらして、ほかの役者さんたちを信頼して、全力で火花を散らす自分として、いる。そして、その中心に、ちひろちゃんが演じる「わたし」がいました。

 

ファベルやダンヴァース(知寿さん)や、ベアトリスが。自分の人生の中では自分が主人公だから!という存在感で。

今まで見えなかった奥行きが、ぐわぁと広がった感じがしたのですよ。

 

知寿さんのダンヴァースの解釈は。とても自然で濃厚で。荒れ狂う内面を秘め、レベッカに恋をしていて、強い信念に縛られ、だからファベルはライバルで。後半のセリフがすとんすとんと、シンプルな強さをもってくる!

 

ファベルがサロンのシーンのはじめに、さぁこれから一世一代の賭けに出るぜぃみたいな、一瞬の呼吸を、するのがね! ファベル、一生懸命でかわいいなぁとか思ってしまう。

 

ベアトリスが、貫禄というのかしら。マキシムのおねえちゃんなんだなぁと、それなりの距離で過ごしてきた家族としての距離が、見えてきたと感じたの!

 

そしてマキシムは、今までになく。終幕にかけて、レベッカという悪夢を乗り越えて、はっきりと訣別したのね~と感じられた! 「わたし」との出会いと、内面の告白と、そのあとの忍耐?を通して、魂が救済されたんだね。人生を負荷も含めて、自分を受け入れられるようになったんだね、とかね。

 

 

 

ところで。

e+の貸し切り恒例の舞台あいさつで、マキシムくんがみんなに呼びかけて楽しくご唱和する所作、『TdV』の伯爵さまのときもやるのかしら? 

プレ授業

先週は、どんだけ多摩美上野毛校舎にいたんだ?という日々。

 

土曜日は校友会の理事会もあり、

ついでに午前中からは、もう一回分の出前アート大学のプレ授業。

 

講師とコーディネーターと手伝いの学生たちを招き、ほかの理事が小学生役となり、授業の段取りを試して、問題点を洗い出します。

 

↓↓ 始まる前の会議室。

こういう事前のお手伝い、おかげさまでわたしは手慣れてるのよ~

自分の作業のやりかけを「あ、やりたい?」とか言って、みている若い人にふるのとかね。

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授業の内容は、まだオープンにできないので。カケラの写真だけ。↓↓

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作業、めっちゃ楽しかった! できた作品もステキで楽しい!!

(会った人には、携帯の中の写真、みせますね)

 

ただし、実施が大阪の小学校さんなのよね。さすがに見学には行かない予定だわ。

 

 

多摩美統合デザイン学科の卒展

多摩美校友会 出前アート大学に協力していただいたこともあり、今年は統合デザインの卒展を、ガッツリ全部みてまわりました!

 

 

面白い作品が多かった!! 

 

が、「出前授業」でわたしが一番お世話になった麗(如澤麗)ちゃんのお写真がないのが、悔やまれるわ~ 暗闇の中で映像とオブジェをコラボさせてるので、写真撮るの難しいのもあったけど。(あ。遠目から撮ったステキな写真はあるが、子どもたちが写ってるので、ココにはあげられません)

ぐるぐると繰り返す足跡の映像の下に、白いつみきを置くことで、見ている人は勝手にちがうストーリーをつくってしまう不思議。

子どもたちに至っては、手の上に映像を落として、「今、手のひらに乗ったのに、(人の)重さを感じなかった!」とか発見してた。

小学生たちが夢中になりすぎて、体重をかけて台を動かすので、何度も注意や修正をしなければなりませんでした。

麗ちゃん、ほんとにありがとうね!

 

 

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岩井稜くん

この方も「出前授業」で、小学生たちと対話してくれました。ありがとう! プールの底に上の絵の影が落ちているのか?と、わたしは最初、すっかりダマされましたわ。

 

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(お名まえ、メモるの忘れた!)

この質感がリリカルで、郷愁があって、個人的に好き。

 

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(お名まえ、メモるの忘れた!)

これも、個人的に好きというか、世界観を真似したい系の作品。

 

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落合 玲奈さん

300時間かけても、まだしあがらない? 会場でお話してるときも、手には製図ペンを持ってました。

↓↓ この部分が、↑↑の絵のどこであるか気づいたら、気が遠くなると思うよ。

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というように、上の3点を並べると、わたしの好きな世界観が自分でもよくわかる。

o(ΦωΦ)o

 

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麻谷 和生さん

この方も「出前授業」で、小学生たちと対話してくれました。ありがとう!

作品やコンセプトだけでなく、それをどう見せるか伝えるか?も統合デザインのうちです。

 

というわけで、↓↓は、その最たるものとも言えるかも?

100円ショップで売ってるものたちも、見せ方ではこんなにおしゃれで高級になるという作品(たぶん)。

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田中 萌さん

 

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星 杏沙妃さん

アクシデントの要素の強い絵画や写真で、写真の作品の右の2点、描いた「筆」はご自分の髪の毛なんですって。(という製作風景の映像が、隣のスペースで流されてました) これ、インテリアとしても使えそうで、絵としての強さと、環境としてのおだやかさと、両方持ってるのがステキだわね。

 

 

これ以外にもたくさんたくさん、ステキで興味深い作品がありましたよ!

(こういうブログは会期中に書いて!とか言われそうかな。ごめん)

 

 

 

『クリエーターのたまごに会いに行く』

わたしが多摩美校友会の理事になったのは、出前アート大学の活動に参加したかったからだったはずなのに、初年度は別部署(グループ活動助成金)の配属で、

あれこれの結果、今年度はその両方の部署となり。

 

いよいよ、第53回出前アート大学の企画・運営に携わりましたよ! 

出前アート史上初w、「大学」「地域」と連携しての鑑賞授業。あと「低予算」!

 

上野毛キャンパスの統合デザイン学科の卒業制作展を、近くの小学校の4年生約120人が鑑賞、グループに分かれて作品をつくった学生本人と対話する、という授業です。

あ、ブログタイトルが、その授業のキャッチタイトルですよ。

 

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↑↑ 当日の服

昨今の小学生は基本、撮影NGなので(記録として撮ってるけれど、表にだせない!)、これで代用ね。便器も写ってるけどw

 

 

 

大勢の方々の熱く快い協力と、そういう方たちと出会えたことも含め、お天気も含め、たくさんの幸運に恵まれた素晴らしいイベントになりました。

来年度はぜひ、八王子キャンパスで!という別学部からのリクエストもいただきましたよ。この評価がすべてを語ってる気がするわ!

 

 

 

小学生たちに、異文化である美大生と出会って化学反応してもらうために、

12人の学生たちが、指定された時間に自分の作品横に立ち、質疑応答やパフォーマンスをしてくれました。居合わせたほかの学生たちもにこにこと対応してくれて(卒展実行委員長のわたなべくんの手腕もすばらしかったと思う!)、

「小学生たちと出会った」美大生たちにも、とてもいい経験となったようです。

(これ、もちろん企画意図のひとつですよ)

 

 

鑑賞するという行為を、どう子どもたちの内面に落とし込むか。担当理事で考えて、話し合った結果、選んだのは、ワークシートの記入方式です。

流れをつくった細かい項目に、少しずつ書きこむことで、短時間の中で、質問や感想の整理がつくことを目指しました。

 

偶然なんだけれど、3段階に用意した「ワークシート・ミッション」の内容が、

昨今の小学校の指導指針?だかの、「自主性」「対話」「深い思考」と完全一致してて、びっくりしました。

なのでブレることなく、授業内容の決定やほかの理事への説明を推し進められた!

やっぱり必然は、シンプルでゆらがないものなんだわ!!と感じました。

 

 

さて。その1日のためにと、数か月にわたり、試行錯誤を重ねた紙の束↓↓ (チョコの箱は側面をみせるために使っただけだから、気にしないでね~)

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これから、これをもとに、今後のためのマニュアルを起こします。

(ちなみに、写真で見えるかわいらしい版面は、校友会事務局の女子がリ・デザインしてくれたものです。わたしのセンスではこーはいかない。汗っ!)

 

 

次の、卒制展の写真に続く。