あとりえあげん

劇作家・ミュージカル関連のコミックエッセイスト・多摩美校友会理事 活動ベースは三軒茶屋ですが八ヶ岳の別荘で在宅介護はじめました☆

[ブログ版] 世田谷区三軒茶屋で隠居してます。ときどき劇作家。HPはコチラ http://agen.web.fc2.com/

『祈りと怪物』

4時間越えの芝居を立ち見してきました。ええ、もぉ、慣れたもんです。
去年の暮れ、KERAさんver.を観ちゃったら、そりゃ蜷川さんver.も観なきゃ収まらん。
 
一番端っこの立ち位置でしたので、存分に身を乗り出してられました。
目の前に拡がる一階客席の、人の波。
通路を使った芝居もじっくりと眺められ、案外、特等席だったかもしれません。
 
観ながらね。
先月に続き再び、4時間越えの素晴らしい芝居をみている自分が、このうえない幸せものに思えてきた。
日常がすっ飛ぶ極上の気分♪
 
 
 
まったく同じテキストを使って、ここまで違う作品になる!
演出家のこだわる箇所が違うと、伝わってくるものがまるで違う! なんたる知的興奮だっ!!
 
KERAさんver.のときは、俯瞰的で町全体を見渡すダーク・ファンタジーな世界だったのが、
蜷川さんver.だと、等身大な屋敷の中の個人的な感情の渦になる。
場割りは同じなのにね。
 
というわけで、
俯瞰のない蜷川さん流だと「ファンタジー」には感じられなくてね。 
白痴の青年の持つ、まさかの宇宙の神秘と儚さが、人間味になっちゃうの。
ファンタジーである条件とは?ってのも実感しました。
 
KERAさんのだと、ロングショットの連続で、まぁね、舞台なんだからそうなんだろうけれど、
蜷川さんの作り方だと、ときどきアップショットを感じる不思議。緩急のうちなのかしら?
ぐぃっと役者が迫って見えてくるの。
 
 
 
もりたごークンって、役に自分を近づけるタイプの役者さんだったのですね。意外でした。
最初、いい役者さんだけどこれは誰?と気づかなかったの。
 
相手がいるシーンではいつも口数少ない青年が、
ぽつんとひとりになったとき、無限の暗く深く美しい内面を広げて魅せて。
そのあと別人格になるって変化を、坦々と演じてました。
 
 
 
あとねっ、
さとしサンがかっこよかったよぉっっ。おハゲでも、かっこいかったぁーっっ。
んで、やさしーイイヤツなの。
 (*゚▽゚*) うはぁっ❤