あとりえあげん

劇作家・ミュージカル関連のコミックエッセイスト・多摩美校友会理事 活動ベースは三軒茶屋ですが八ヶ岳の別荘で在宅介護はじめました☆

[ブログ版] 世田谷区三軒茶屋で隠居してます。ときどき劇作家。HPはコチラ http://agen.web.fc2.com/

こんな夢を見た/ミワ編

寝たいだけ寝よう……と、夕べから13時間ちょっとベッドの中。
朝の7時頃からは、夢を見ては目覚め、の繰り返しで。
最後にスペシャルな夢を見た。

いろんなわけのわからないシチュエーション(夢ですから)を経て、薄暗く古びたバーに何故かフジワラタツヤくんと二人連れでいる。 話すことともなくソッポをむいていると、居合わせたミワアキヒロさんが、この美青年のためにショーアップされたシャンソンを熱演してくださった。 このショーが、それはもう、スゴかったのだ。

目覚めてもわくわくして、もう寝ようなんて気にならなかった。 そうして、この文章を書いている。

近くで見た熱唱するミワさんはぷつぷつと汗だくで、メイクが壊れる寸前だが、歌い続ける。 表情の作り方がもうひとつ下手だよなあとかコッソリ思いながら、わたしは、でもこの方にとっては、老醜すらも吸収すべき美なのかと、圧倒される。 どんなささやかなことも全力をつくせば、追求し続ければ、それは美につながるのかもしれない、とか思う。
ふと気付くと、かれは派手派手しい女装から(夢の中ですから)フランス下町の水夫のような服に変わっている。 (メイクを落としたかれは、実際に美しいおじさんである) 周囲では、店のスタッフらしい声が「サス!」とか叫び、店はすごく暗くなり、ミワさんはピンスポの中で道化て、歌は人生の滑稽さを笑い、……終わる。 老獪も、独特な趣味も、追求し晒してしまうと、それは圧倒される「美」なのだ。

もっと演劇をなさればいいのに、と夢の中でわたしは言う。
「あら、してましてよ」
三島さんのじゃなくて。 暗くて汚れたどん底の人生の果ての役。 美しくない舞台は、ご趣味じゃないかもしれないですけれど。
「たとえばどんな?」
三文オペラとか、ああ無情とか……。

この方がバルジャンを演ったら、どんなにすごいことになる?と息を呑む。 ミュージカルじゃダメだわ。 単サスの中でのひとり芝居よ。 わたしに書けるかな?

目が覚めた。 夢の中から、新たな課題を与えられてしまった……。