あとりえあげん

劇作家・ミュージカル関連のコミックエッセイスト・多摩美校友会理事 活動ベースは三軒茶屋ですが八ヶ岳の別荘で在宅介護はじめました☆

[ブログ版] 世田谷区三軒茶屋で隠居してます。ときどき劇作家。HPはコチラ http://agen.web.fc2.com/

JC=S ロンドン公演を聴く

前の項だかで、MDでミュージカルの公演を録音するなんて?とかってホザきましたが、
……
このたび購入されたMDくんの初仕事は、うんっと過去のミュージカルの、こっそり録音の再生だったのでした。 笑笑っ。 舌、乾いちゃったもん。

91/09/28、ドミニオンシアター。 録音したのは、当然、カセットテープ。 部屋に遊びにきたNちゃんが埃まみれのカセットを発見するなり、「こんな大切な録音、ちゃんと保存しておかなくちゃダメじゃないですかっ」とMDにダビングして、MD本体(中古)も一緒にくれたのでした。 「他には?」 いろいろと100本くらいあったけれど、TAをやめるときに人にあげちゃった。 パンフも全部。 「もぉ、なんでぇ?」 エラク怒られました。 そんなこと言ったって、あの時点ではスッパリお別れするつもりだったんだし。 それでも数本のカセットを残しておいたのは、ほんの女心の未練だったの、なんて恥ずかしくって言えず、笑ってうやむやにしました。 

で、15年前のロンドン公演。
当時は全然みえなかったことが、わかる。 客席の反応の変化も、作品の趣向の幼さも、演技者のエラさも、演出家のズルさも。 いやあ、そうでしたか。 なぁんだ、そうだったのか。 祐くん、もっとイバっててもよかったんだよ。 実はすごい仕事、してたんだ。
わたしも若かったしね、いろんな苦い悔しい思いに惑ってもいたしね。 自分では全部、ちゃんと理解していたつもりでも、……全然みえきれていませんでした。 すいません。  

今さら、初めて、胸に突き刺さった台詞。 ユダの「わたしは利用されたのだ」 ……愛する者に。 なんて哀しいことに気付いてしまったのだろう。
おかしいな、半年くらい前にTV版みたばっかりなのに、そのときは何も感じなかった。 あれは英語だったからか? 順さん、あの台詞、すごいよ。 絞られるような哀しみがこめられていた。

あとわかったのは、わたしの劇作の幻想劇趣向の原点のひとつは、この作品です。 時間・場所の跳躍とか、抽象的な描写とかに、そりゃあ抵抗感がないはずだよ〜。 30年近く、わたしの血の中に流れている歌なんだもの。