あとりえあげん

劇作家・ミュージカル関連のコミックエッセイスト・多摩美校友会理事 活動ベースは三軒茶屋ですが八ヶ岳の別荘で在宅介護はじめました☆

[ブログ版] 世田谷区三軒茶屋で隠居してます。ときどき劇作家。HPはコチラ http://agen.web.fc2.com/

ジャグラーと身体

劇作の講座に通ってた頃。小道具を安易に使うな、という教えがあった。

わたしは出自がまんが家なので、小道具こそが描写を豊かに、象徴的に使えるという感覚で。演劇ではむしろ邪魔なのだと理解できるまで、時間が要った。

 

物理的な小道具は、イメージの可能性を限定してしまう危険を伴う。説明しすぎるのだわね。

そして、役者のからだへの、観客の集中度を分散させかねない。演劇ではまず、役者の肉体が何を語るか、感じてもらいたいのだ。

 

 

ということを思い出したのは、

わたしにとって、面白いジャグラーと面白くないジャグラーがいるのはなぜ?と考えてるときだった。

 

多くの見物にとって、自分には絶対できない技をやってみせてもらうことが、ショーになる。やるほうにしてみれば、練習の成果を見て! 褒めて!と考えるのは当然だろうし。ただ、わたしには、それだけでは足りないらしい。

 

 

で。気づいたのね。

わたしの眼が、ボールやグラブの動きを追っているだけで、演者の肉体がみえてないとき、身体の声が聞こえないとき、つまらないのかも。

道具たちのスペシャルな動きよりも、そのときのからだや動きが、ステキな何かを語ってくるとか、別の世界に連れてってくれるとか、その人のヤバイ魅力をこぼしてるとか、なのかも。

 

 

 

 

 

橋本Pがよく、ジャグラーは技にばっか走りやがって、つまらーん!と怒ってる意味が、ちょっと見えた気がした。

レタスとフライパン

山梨のパノラマ市場でときどき買うのが、レタスの鉢植え。100円とか、150円とか。

んで、外側から葉をちぎって、少しずつ食していくのが楽しい。

 

今回、三茶の家に持ち帰り、水をやったら、こんなんなったぁwwwww

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レタスが! 早く食べて! と言っている。

 

 

今朝のメニュウ。年寄りは朝からタンパク質を摂ったほうがいいとかいうので。

がつっ。もりもりもりもり。

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(あ~今日は気合い入ったけど、毎朝は無理だな~)

 

つやつやの豚肉は、鉄のフライパンで焼いた。最後に、コチュジャンをまとわせてる。

 

 

あのね。

先日、TVで、お気に入りのフライパンってなかなか出会わないわよね!とか言っていたけれど。わたしは出会ったのよ! 鉄製! なのに軽い!!

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あの時は、TVかなんかでみかけて、d-デパートメントまで買いに行ったんだ。

柄が長いのが気になって、若い店員さんに質問したけど答えてもらえず(販売員として商品への興味が足りないよなあ)、かなり残念だった。だって使ってみたら、パンを振りやすい構造ってのが正解で、これが大正解で、めちゃくちゃ使いやすかったの。

 

あ。そうだった。

買ってからしばらく、愛するフライパンと出会えたの! 幸せよ~! と会う人ごとに告げてみたのだが、誰ひとりとして共感は得られなかったの思い出したよ。

 

 

(ちなみにレタスの写真はSNSに上げたら、割と人気ものでした)

5月の庭

八ケ岳の家の庭に植える花を買う。

 

 

安定のミヨシでと、

 

ハーブの苗も欲しくてパノラマ市場へ。目当てのバジルの苗はなかったけれど、花の苗を買い足す。少し育ちすぎてるせいか、めっちゃ安価。

そして、明日は大雨だから植え付けは延期したほうが無難。とアドバイスもいただく。かくして、玄関で夜を越す花の苗たち。

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夜から降り出した大雨は、予報を裏切って(山の天気ですから)翌日午後になったら止んだ!

そして、

植え付けてるうちに、もう少し花が欲しくなったわたしは、もう一度パノラマ市場に行くw

帰り道。助手席の花たち ↓↓

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わたしは。

去年の暮れにペーパードライバー講習を受けてから、初めて!ひとりで!運転した!のだった。父の車はスウィフトで。ひとりで乗るとめっちゃ快適!!

 

さて。庭はこんな感じに。

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まあ、全体に、地味と言えば地味なんだが。

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自分的には、気に入った風情なのである。

 

 

天文台の下でひっそり花をつけてたシャクナゲ。健気すぎるので、他の枝は大きく切り落とした~

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その天文台も5月の風情だな。

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東側の三角には、ラベンダーをひと苗だけ、植えた。

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ここの白と緑の玉石を一度取り出し、水で洗って、霜とかでぐちゃった下地を均し、撒きなおす。父と二人で、半日仕事だった。

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そうそう。

邪魔なひと枝を切って、活けたら、なにやらエラク好きな風景に!

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サーカスラボラトリー クク―

高速バスの中のWifiが不安定で、アップしたら一時間かけて書いた文章が反映されてなくてショック!

元気出して書き直し!  \(//∇//)\

 

 

SePTの酒井あっちゃんとパートナーさん、「ながめくらしつ 」主宰の目黒さんと制作の奥村さんがたちあげた、サークル&スタジオ(以前は鉄工所!)の第一回お披露目会に行ってきました。

 

↓↓ お名刺です。

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www.circus-coucou.com

 

Circus Laboratory CouCou

「CouCou」はクク―と読み、カッコウの意味であり、「やぁ!」みたいな挨拶でもあるそうです。

 

で、わたしは例の如く、参加希望メールのとき、お手伝いあったらしますよ的な一文を添えたので、お迎えする側にまわってしまいましたとさ。

 

 

外観。このあと、ポストにサークルの名刺をパウチして貼りました。(そういうお手伝いもした)

 

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賃貸料はサークル幹部さんたちが負担し、参加や応援は会費、使用者は光熱費程度の負担。収益の目処がある場合は別途料金。

 

公演稽古やユニット活動の前段階の、「組み上げては壊し」をじっくりと集中的に出来る場所を用意したいのが、何よりもの目的のようです。

あとは、人口を増やすためのアレコレ!

 

床張りとか、この高所作業用のパイプ(なんていうんだっけ?)とか、劇場務めのあっちゃんの人脈・人望で、某劇場の舞監さん!が仕事してくださったらしい。

そんな手作り、持ち寄り、投げ銭感覚で、文化を育てていこうとする場所になる予定のようです。

 

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元鉄工所の無骨と、新しい繊細の融合。

ピアノはイーガルさんが手配してくださったそうです。お披露目だから剥き出しですが、お掃除が無限ループなこの建物(仕方ない)なので、終了後は毛布をかけました。

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開場しました。ここがスタジオです。高さ7メートルの空間!

この日最初のお客さまと、ウォーミングアップ中の目黒さん。

布の向こうは叩き場。

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正座してご挨拶と説明をするあっちゃん。

この後、二階の休憩所や資料室のオリエンテーションへ。

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目黒さんのパフォーマンス開始。

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その後、交流会があり、わたしはいろんな方とお話が出来て楽しかったです。

 

現代サーカスの定義、ヌーボーシルクとの違いって何?とあっちゃんに質問。

明確な区別はなく、感覚的になるけどの前提で、

昔ながらのサーカスは動物が活躍する見世物の要素が強く。70年代あたりからの、シルク ド ソレイユに代表される、動物のいない、ひとの肉体の可能性を魅せるショーがヌーボーシルク。

その次の段階として現代サーカスと呼ばれる無分類の主張が現れたのが現在。過去の価値観を否定する新しい表現であること。ひとつの世界観に流れるストーリーのような作品であること(シルク ド ソレイユは、その意味では小さなショーの集合体形式なので、外れる)。あたりが特徴かもしれないそうです。

 

じゃあダンスとサーカスの差は?となると、本人の名乗りに頼るしかないかも。だって。

この流れで、ジャグラーとからだの 問題について、考えたことは、別途書くわね。

 

日本では、わたしの知る範囲では「ながめくらしつ」くらいしか、ユニットがないかもしれません。だからこれを機に、もう2、3のユニットが立ち上がってきたら、きっと文化として回転し始めるんじゃないかと思います。

 

 

あとね。サークルの今後の企画として、パフォーマーのからだのメンテナンスの講習会をリクエストしました。特に大道芸人は、自分のからだに無頓着すぎな方が多くてね、ただ痛みに耐えているだけみたいなんだもの。

 

 

 

みんな大好き、レモンカップケーキを焼いて、差し入れました。

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ギュスターヴ・モロー展

サブタイトルは『サロメと宿命の女たち』

@パナソニック留美術館

 

展覧会に行って有名作家の世界観にどっぷりつかり、その人の人生や作風についての勝手なストーリーを組み立てたい!(趣味です)と感じるも、

クリムト展もエゴン・シーレ展もそれぞれ友人と行く約束をしてしまってるので、しばしお預けなのだった。

 

なので、TVの日曜美術館の特集で知ったモロー展に行く。

東京は贅沢だな。おいしい展覧会がいくつも同時開催してるのか。

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モローの絵をこれだけの量、一気に観るのは初めてで。

画風がこんなに多彩な人だとは、知らなかった。

そして。よく言われる神秘主義とか精神性とかいうよりも、技術とモチーフに執念を持った画家だったのだなあと、わたしは感じました。

 

 

あとね、これに限らず。

アートの評論家や学芸員さんたちは、なんで絵画のモチーフやイメージの出展として、演劇やバレエを並べて語らない(語れない?)のか、不思議。

サロメなどのシリーズを並べて観ていると、大劇場の持つ大きな空間(奥行き)と静謐に通じるのは明らかと感じるのよ。

 

 

そして今回は、ファム・ファタルを好んで描いたモローの内面について論じたい企画のようなのですが、

 

描かれているからだはモデルのもの(基本、母親や恋人ではないと思う)だし、

ドラマのワンシーンとしてポーズや情景をいかに演出して、感情や関係性をたっぷりと閉じ込めてみたいんじゃないのかなぁと、感じました。

 

この画家は理論派で、番組で語られてたほど内気でロマンティックではないと思うなあ。日常とは別のところで、イメージを編みあげてると思うなあ。

 むしろ、

はだかのモデルと対峙している男を、恋人は別室でどんな気持ちで待つのだろうか。画家は恋人に、どんな言い訳をするのだろうか。そっちが気になる。

 

当時流行りの印象派に乗り遅れた画風を、意地になって?独自のスタイルまで煮詰めた、執念は感じる。

 

 

わたしが大好きな『一角獣 』は未完の作なのだそうです。

うん。描きたいとこを描いてるうちに、描きこみどころや止めどころがわかんなくなっちゃった系かもな。

で、やっぱりステキ。

それに、近くで見ると処理が甘い箇所も、離れてみると気にならないのが、モローのマジックだしねえ。

 

 

初めてみたんだけど『セイレーン』が2枚あって、画風が全然違ってて、

目録見ても制作年が入ってないので、それぞれ、いくつのときの作かわかんないのだけれど(わたしは何歳でその絵を描いたか、気にするほうです)、

1枚は画学生(イタリア時代?)っぽくて、がっつり細かく描写されてて、

もう1枚のほうが、わたしのお気に入りでした。ぐちゃぐちゃと昏い色でのたくってる筆のタッチが、黄昏で目を凝らさないとよく見えない人影の感じを、よくとらえてた。あー、でも全体には印象派っぽくはないの(人魚だしね)。

 

 

なんでこんなに『サロメ』を描くことに固執したのかは、妄想が楽しいわ。女優ラブだったのかもしれないし、自分が『絶対になれない』ものに対するあこがれ(もしくは秘めた自分の内面)かもしれないわね。

 

 

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おみやげは、クリアファイルと(東洋趣味の画風の)絵はがきを1枚。そしてクリムトデザインのカッティングボード(まな板)を買っちゃった。