あとりえあげん

劇作家・ミュージカル関連のコミックエッセイスト・多摩美校友会理事 活動ベースは三軒茶屋ですが八ヶ岳の別荘で在宅介護はじめました☆

[ブログ版] 世田谷区三軒茶屋で隠居してます。ときどき劇作家。HPはコチラ http://agen.web.fc2.com/

飛び込む

少し不謹慎なことを。

 

先日、散歩の途中で買い物を思いついてしまい、中断して隣の駅から電車に乗った。

隣の駅は、急行の通過駅である。

 
ホームでぼうっとしていると、スピードを落とさない車両が目の前を通過した。その鼻先を眺めながら、

タイミング、案外むずかしくない?とか感じた。

 

もしもわたしが飛び込みを計画しても、
例によってのタイミングの読みの悪さというか、動きの鈍さというかで、確実に失敗するんだろうなーと予感したのだった。

そうしてたぶん死にきれず、だけど理不尽な痛みに・・・・・・ううっ・・・・・・痛いのはいやだなあ。想像を絶するほど痛いんだろうなあ。

 

で。もし上手に飛び込めたとしてね。

あたりは大騒ぎになって、交通は大混乱して、ここに居合わせる多くの人たちに血まみれの気持ち悪い思いをさせることになるんだなあと思い。

大学のある駅なので、周囲には少し無頓着そうな若い人たちが多く。

 

感じたのは、

飛び込むという行為は、もしかしたら世の中への強いハライセなのかもしれないと、迷惑をかけることによって注目されたい自己主張なのかもしれないと、思いついたのだった。でもそれ、なんかムカつくなあ。

 

今まではね。人に言えない悩みを抱えてしまって周りがみえなくなった気の毒、みたいなイメージを持っていたのよ。
疎遠にしていた幼なじみは、そうやって逝ってしまったしね。

 

 

わからないけどね。他人の動機なんて、結局未知だわ。

と、

わたしには少しめずらしく、突き放したような感情になったのだった。

 

無常というセンチメンタル。

 

自由が丘で遊んだ

朝、友人からのラインで突発的に行ったのはここ↓↓

IWATATE FOLK TEXTILE MUSEUM

 

こじんまりとしたミュージアムでした。スタッフさんから他のお客さまもいますのでと小声で注意が入る程、ふたりで熱心に長々と好き勝手なコメントを発していましたら、

なんと主宰?の方のご登場!!!
フリートークと言いますか、展示品の丁寧な解説をしていただいてしまいました!

 

解説していただくと、バックグラウンドが何倍もふくらみまして、

 

シルクの刺繍糸なんて、普段使いからゴージャスねえ。という感想が、 

オールシルク製品への憧れから、
自生コットンを自分で紡いで村の職人に織ってもらった布に、物々交換?で手にしたシルク糸で、いかに裏には糸を通さず効率よく、家族の祈りもこめて美しく刺繍したか!という想いまで教えていただき、

 

他にも。刺繍柄の意味とか、意匠とか、

イスラム圏(偶像禁止)とヒンズー圏の図柄の差とか。

 

なんだか、うあーうあーうあー!という時間を過ごしてしまいました。

 

 

そのあと、お茶をしようとしたのですが、土曜の午後はどこの店も混み混みで。

いろんなお店をうろうろしながら、とりあえずとりあえずとコーヒーは先送りにしながら、買い物。

 

最後の最後で、思いがけない「穴場」を発見!!

お茶のつもりがおいしいカレーもいただき、併設されてる(どっちが?w)古本屋さんで安価な数冊を購入。

 

 

なんか、自由が丘を半日かけて、めちゃ楽しんでしまいましたよ。

 

 

博物館という混沌

キャンパスを通り抜けるたびに気になっていた建物に、入ってみました。

↓↓↓

UMUTオープンラボ——太陽系から人類へ 東京大学総合研究博物館

 

入ってすぐに、エラク面食らう。

脈絡のないいろいろが、説明文もなく重なり並んでいましてね。土器、蝶の標本、植物の種、黄金の装身具、動物の脳、民族的な木製農具、人体模型、貝殻、鉱物などなどなど。

 

こぶりな縄文土器の横にあるのは、どうみても南太平洋かどっか?のデザインだが、ええー?日本からもこんな土器が出土してるってことーー?? と振り返ったら、係員の方とにこにこ視線が合ったので、尋ねてみたら。
ちらしを渡され、リストから一緒に探してくださいました。あーアンデス産ね。納得。

そっか。
コレクションからピックアップした珍品が並ぶショーウィンドウなのね。
隣にあるものと関連付けて見ちゃいけないんだわ。

 

その先のフロアも。決まったテーマのない、説明も最小限な、ほんとに「博物」館でした。次々と、へーほーなものが並んでいて。
水槽のようなガラス壁の向こうは現役の研究室のようで。

大学の膨大なコレクションの引き出しのいくつかをのぞかせてくれるような感じ。北海道産の馬の剥製のでかさや、ネアンデルタール人の頭蓋骨のでかさにびっくりしたり。えーと、この先に進んでもいいのかな?とおそるおそるずいずいと建物の奥に迷い込んだり。

わー隕石のカケラ? って、あまりにカケラすぎて見えないし!

 

混沌と、希少なアレコレを眺めることで、脳の奥ではぱちぱちとなにか別のものが訴え始める。だんだんと自分の奥底が、むずむずみぞみぞしてくるのがわかる。好奇心という単純で透明な興奮。知的な気分。

 

一番興奮したのは、14C(たんそじゅうよん)の放射性炭素年代測定のプレゼン映像でした。誤差の修正とか専門的な話になると、まるでついていけなかったけど、

海流のベルトについてとか、日本付近の表層の海水が未来の数値を示していた(核実験の影響で)とか。

ああああ。すごいな地球!!! 海、すごいよ!!!

そして大学の研究室って、損得勘定なしで、地味地味の積み重ねで、そのぶん真理が奥深いよな。すごいぞ!!!

 

 

 

ところで、リンクを貼るために検索した該当サイトですが、
え? こんな特別展示やってたんですか??? と、またまた面食らいました。

わたしが今日、わくわくしたカケラもイメージできないし。

 

 

まどマギと樹魔

腰痛は続いているので予定変更。部屋の掃除も放棄して。

 

昨日は一日かけて文庫版の『まどか☆マギカ』上・下を読了し。 

魔法少女まどか☆マギカ (上) (星海社文庫)

魔法少女まどか☆マギカ (上) (星海社文庫)

 

 

以前、映画の前後編を見たときも思ったけれど、 

(わたしはツタヤディスカスで借りたので、このリンクはご愛敬だな)

  

 エンディングにかけての展開に大昔の少女まんが『樹魔』を思い出し。  

樹魔・伝説 (創美社コミックス)

樹魔・伝説 (創美社コミックス)

 

 

樹魔・伝説

樹魔・伝説

 

 (↑↑ これも一応リンクは貼ったけれど、持っているのは当時のぶ~けコミックスなので、ちょっとなぁ)

 

で。どんなに本の処分を重ねてても、これはさすがに絶対持ってるはずと、今日は本棚を発掘。

で、本日の悲劇。
あぅぅ。とっくに処分したと思って、苦労して再度古本で求めたコミック本まで一緒に出てきましたぃ。

 

 

40年近く昔に描かれた『樹魔・伝説』だが、
情報ベースが紙媒体の積み重ねだとか、パソコンが大型で公共物でルルルと音を立てて検索するのだとかって微笑ましさはあるものの、

やっぱり圧倒的で緻密でロマンティックなSFなのでした。

あと、スゴイ文字量なのにするすると読める奇跡のレイアウトと文章力。そして今でも平然と通用する描写も出てきてました。
予言者か?というより、当時の科学者たちの鋭さなんだろうなと思うケド。(水樹さんって超専門書をうるうると感動しながら読んでらっしゃる美女だとナニカで読んだことがある)

 

ふたつの作品をならべて語るカルトなお方はいないのかと検索してみたら、一件だけヒット。『樹魔』を読んで『まどマギ』じゃんって思ったって、あなたソレ逆でしょうに。

 

この年になると、ふーんこの作家さんはあの作品からイメージを派生させてるわよね、なんてことはぞろぞろあるので、
別に類似がどうこうと言うつもりはありません。

特に『まどマギ』のすごさは、プロットの緻密と結界内のイメージの飛躍(というわけで、未見の方は小説ではなく映画版からみましょう!)だしね。

 

 

で、今夜は。

読み直したばかりの『伝説』に出てくる、劣化を引き金とした進化のジャンプ、についてを、「今」に当てはめて想いめぐらすことになりそうだな。

現代の文化や社会や意識の劣化の不思議と、ミレニアム世代をはじめとする透明な良心や無私について。

並行してジェンダーの崩壊も起こるんでない?という期待的観測もあるんだよな。もっとも起こっちゃったら、恋愛をテーマにした文化芸術に鉄槌が落ちそうかなあ。(BL文化の消滅とかね)てんで大丈夫!なのかなあ。

 

 

その前に、夕飯つくらなきゃ。