(勝手を書くために、作品名をちょっとボカします)
この2.5次元ミュージカルを観た晩。
寝る前に読んだまんがの中、「女が本当にほしいものを くれる男は少ないんだよ……」とあり、きゅいんとした。そして思う。超こじれ厨二(?)なわたしがきゅいんとするのはたとえばこんな台詞で、その日観たラブストーリーは「んんん? えーと?」の連続なのだった。これはもう好みの問題。
それでも、一回目の「なんなんじゃ?」印象も、観るの二回目になると、作曲家の狙いも少しは見えてきて、二幕後半の唐突な抽象概念で構成されたドラマティックな四重唱(だったかな?)とかエラク見事だなあとか、
なので、
この先この作品が、原作から離れてオリジナルに熟してくれたら好きになるかもしれないとか予感するのだけれど、2.5次元ミュージカルの宿命としてありえないか?と残念だったりするのだった。
二幕目後半が見事だったのは、
けんちゃんや聖子さんが、原作のキャラとしてこうあるべき!から外れて、自分の感情として歌っていらしたからで、その気持ちに一緒に引きずられたことが、わたしには楽しかったのだと思う。
特にけんちゃんは、オリジナルキャラから外れた(たぶんね。わたしは原作を読んでいない)自分の感情に自在に振り回されている苦悩が、とってもかれらしくて、めちゃかわいいのだった。
えーと。わたしの席がね、二回とも前の頭で下手半分と舞台奥が見えなくて。
ごめん、けんちゃん。せっかくのポージングの半分は見そびれてる。
そして美術やミザンスや振り付けに関しても、印象がほとんど残ってないし。
わたしが作品に説得されなかったのは、そこが原因だったりするのかな。
再演では、もう少しよいチケットが手に入るといいんだけれど。
一幕目の宰相さまは、前回観たときから格段に説得力が出てきてて、はいはい、この調子で二幕目最後の曲の景色も、ひろびろと遥かに祝祭として立ち上げられたら、お役目完了なのかな、とか。
カンパニーの中に、ここまで同世代がいないのは初めての経験なんじゃないかと、そっちの心配をしてたりして。なのでアイシスさまがお芝居をていねいにおつきあいくださってる様子に、ほっとしたりします。居場所がむずかしそうだなあ。
さて。原作まんがの出だしは40年前に描かれたわけで、まだネットもなく、古代エジプトの資料はハリウッド映画とガイドブックの小さな写真と、自分が旅して撮った写真しかなかった頃。
当時からは、いろんな研究がそれは進み、
なので「うぁ、今さら、ハリウッド映画的なその設定?」とアセる箇所がいくつか、あります。
でもね、わたしが描いた頃(20数年前)ですら、歴史事実よりもエンタメを優先させろと編集さんに押し切られたし。
こういうことのバランスは難しい。
あーいういろいろが、未だ女子の萌えポイントなのぉ?とかね。
ステキなお衣裳が多くて、ヒッタイト王子や、アイシスさまが小娘を燃やしちゃうあたりの衣裳とかが、わたしの萌えポイントです。
にしても、
帝劇で2.5次元ミュージカルかあ。時代は流れているなあ。