一段だけ、階段をあがった。
周囲は広々として。
次のステップは遥か彼方に朦朧と、その存在すら定かではなく。
でもここは絶対に、立ち止まる場所ではなく。
立ち止まれる場所でもなく。
振り返ると
踵のぎりぎりのところで、絶壁が食い込むように落ち込んでいる。
冷たく紅い闇に溶けて、底は見えない。 短調の低い音は聞こえる。
あそこから上ってきた。
大勢の人たちの手に摑まって。 遠くからは温かく支えられながら。
次はどこに行こう。 同じ階段を試す気はない。
そうだね。
手元に残ったほんのりとした この小さな 灯り。
ささやかな人数だけれど、
一緒に見えている人と出会えたと思う。 これはステキな奇跡だ。
もしくは必然。
少しだけ眠ったら。 眠って食べてあくびをしたら。
さ、次だ。
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無事に終わりました。 大きな事故がなかったことに安堵。
反省が山積。 でもこれはある意味宝物。 次回は全部クリアすればいいだけ。
次を目指そうと言ってくれるスタッフさんと新しく出会えた。 これは贈り物。
1枚のチケットを買ってくださった方たち。 自分はこの人たちに大きく温かく確実に支えられているんだと実感。 ありがとうございました。
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一番嬉しかったことのひとつは、父が観たものを面白がってくれたこと。
「喜ぶ」でも「褒める」でもなく、楽しんでくれたこと。
ところで開演前、父に演出・田中を紹介している図がどうみても、新しい彼氏を紹介する娘の図にしか見えなくて、受付の面々はひどく居心地の悪い思いをしてたとか。
演出家と劇作家の関係は?というテーマに、もうひとつ新しい切り口か……?
今回、わたし自身が公演することにぐちゃぐちゃな立場で係わってしまい、田中も見るに見かねてかなり手を伸ばして仕切ってくれたことも多くて。
だから演出家と劇作家というクリアな関係性は、成立していないとは思うけど。
たぶん、作品という子どもに奉仕する無二のパートナー。
そして劇作家にとって「演出」とは、りぼんをかけたそれは豪華な贈り物なんだと抱きとめた瞬間があって。 至福。 感謝。
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必要とする者には与えられる。
制作・西は、見かねて天がわたしに与えてくれたものの最たるモノです。
小屋入りしてからの五日間で大きく大きくバケました。
すごいスピードで周囲の面々から方法論も精神論も吸収して、判断して、指示して、
最後はわたしの方がパシリに。
[E:happy01]
自分たちに必要なスタッフは、少しずつみつけて育てる。
これも今後の課題。
それにしても、みゆ。 ありがとうね。
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そして生まれた「子ども」について。
わたしは5公演のうち2公演しか観られなかったのですが。
うち1公演が最上の出来との見解は一致してるようなので、見届けたことにはなるかな、と。
とりあえず、ここまで来られたんだなという感慨からいえば、合格点。
アートとしては最終的に自分の作りたいモノを100点として、今回の段階では30点のモノができればいいかなと思っていたのですが、40点くらいには行ったかも、と。
演出、照明、音響さんが最後の最後までチリチリチクチクと細かいところを縫い縮めてました。 これは嬉しかった!
わたしが最終的に描きたいテーマは、時折わずかに漂う程度で、これはどうすれば具体的な表現に繋がるかという今後のわたしの課題。 ただ、無理かなと思っていたけれど、最後の方になって演出がほんのほんのわずかに喰い込んできたのには、驚いた。
乞うご期待。
大衆性。
演出・田中もわたしも、本当に創りたいのはそれぞれにかなりコアな世界なのだけれど、わたしは意識してクライマックスとしてベタなシーンを書き、田中もそこにベタな演出を丁寧に丁寧につけた。
結果として、奇跡のように美しくて印象的なシーン。
客席に届けるというのは、どういうことなんだろうと思う。 これは自分の趣味趣向とは別途に、大切にしていく部分なのかな。
客席、ロビー管理。 初日は手が廻りきらなくて、惨敗。 自分を配置することで少しずつ手をいれたけれど、自身も反省することしきり。
動員、とりあえずここまでいけば御の字と設定していた数字を、ほんのちょっとだけ超えました。 1公演は満員御礼で、大入り袋、配布!
わたしがスタッフ、キャストのひとりひとりをハグして(わははははっ)、お渡ししました。
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すべてを通して。
わたしはなんと大勢の人たちに助けられ、存在を許されているのかと実感し、感謝。
ご来場いただいた方々、お花や差し入れをくださった方々、いけなくてごめんなさい頑張ってねとメールくださった方々。
そしてスタッフ、キャスト等関係者ご一同様。
すぐにでもお礼状を差し上げたいのですが、(物理的な後処理と、体調の後処理!に)時間がかかると思います。 ごめんなさい。
「どうもありがとうございます。 愛をこめて」