あとりえあげん

世田谷区三軒茶屋で隠居してます。ときどき劇作家。 HPはコチラ http://agen.web.fc2.com/

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覚書『ダブリンの4人』とか

読み始めた本がどうにも消化不良なので、
『ダブリンの4人―ワイルド、イェイツ、ジョイス、ベケット』 R.エルマン著
を読み始めたら、これがおもしろかったのでした。

まず、当時の空気感みたいなものが伝わってくる。
時代の、文壇?の、作家同士の友情や批判やリップサービスの、

あの(耽美主義な)ワイルドが学生時代、カトリック教徒になるかフリーメイソンを選ぶか迷っていたなんて、かなりのびっくりだが、
考えてみると当時のイングランドプロテスタントイギリス国教会)が体制側だったのだろうから、青年らしい反体制というファッションとしてのカトリックかと、納得。

となると、プロテスタントの家に生まれたイェイツが、カトリックを主とするアイルランド独立に加担したとしたら、えーと、自分の内面が分裂しないように無視することでバランスを取ったのだろうか???とか、気になる。

もうひとつ、すごく気になったのは、
ワイルドやジョイスの項で感じる、クリエーターとしての共感って言うのかな。
その人らしい愛らしい欠点という本質、迷いや愚かさ、その人独特な価値観が、イェイツには見えてこない。
極度のええかっこしい、だったのか?
創作の啓示が、湧き上がったり降ってくるというより、
(父親とかに)表現を褒められるための、正当化するための、他人の教えや書?に沿った自己生成だったのか??
あとね、イェイツの運命の女モード・ゴンが、かれの女優までしていながらも、30年にわたる求愛は突っぱねている事実。 人間としての「嘘」でも感じていたのかな?とか、ナントカ。

ベケットに関しては、
突然変異として現れたかのような作風だが、アイルランドの先達たちとはこんな関連性があるという比較論なのだけれど、
エルマンさんが自信なさげに示唆している『鷹の井戸』とずっと後に書かれた『ゴドーを待ちながら』の類似の指摘が、興味深いのです。
シンプルなセットに1本の木、そして何もせずに待つ男たち。

ロンドンの商業演劇に対するアイルランド演劇を興そうとしてのスタイルが、既存の否定だとしたら、派手な装置や朗誦のない、ストーリーよりも感情や関係性の昇華をめざす「能スタイル」をヒントに、
不条理劇に辿るラインが生まれたとも考えられるかもしれない?
(早く早く、次の本を読まねば!)

 

      [E:book]

 

わたしが目指すのは、評論ではなく創作です。

これらの作業が何を意味するかというと、
芝居の構成として、『鷹の井戸』を入れ子にしたイェイツのある日のある時間を設定するための資料。

イェイツの人生はざっくりと3つに分けられそうで、その2/3の分岐点に『鷹の井戸』は書かれた気がするのですね。
失恋、結婚、その他を境にして、本意か不本意かはともかく、何かを切り捨てた気がする。

 

もっとも『鷹の井戸』を、もっと夢幻能に即した構成にしようと設定を考えていたら、
そっちだけでおなかいっぱいになりそうで、
でも、チョットいい感じのファンタジーかも???
――どうしましょうね。

夕べは、どんな口調がいいんだ?と。
能の様式でも、台詞はちゃんと客席に届くためには。
本棚の前で、
イェイツの詩(和・英)とか、『死者の書』とか、シェークスピアとか、を音読してみたり、
違う違う違う、
死者の書』の した した した を、からだで感じようとしてみたりして、
ダメだダメだダメだ、
結局、寺山修司/岸田理生の『身毒丸』にたどり着き。

世界に引き込まれて、そのまま黙読してしまった。 やっぱすげーな『身毒丸』は。

それから、今日は『ワキから見る能世界』も再読。
夢幻能について。

 

と、きて、
『ライオンとハムレット』を読み始めました。
視野が広く、よく勉強もされている研究者さんのようで、今読んでいる項、イェイツの家系についてが、とてもおもしろいです。
少年イェイツの価値観はいろんな形で分裂を強いられていて(父方、母方、父の)、共存させるバランスをとるために複雑な内面が形成されたのかな?と読める。(今のところ、ね)

ただこの研究者さんは、イェイツの著を引用しながら、イェイツを著者と言ったり作者と言ったり、特に使い分けている風もないまま、ごちゃごちゃなので、混乱を強いられる。
どうしたら、こういう文章になるんだ?と、そっちも少し興味深い。

 

本を閉じて、そろそろ寝ようとベッドに倒れましたが、
自分の内の整理がアレコレ始まってしまったので、起きだして文章に落としてみました。

続く。 (これで寝られるかな?)