思い立って当日券で観てきました。なので二階席。
舞台は遠いけれど、床に投射される映像の波打ち際を、存分に楽しめました。今どきの舞台ではもう、LEDやプロジェクターの映像演出は当たり前なんだわね。
作品を、というより、辰巳さんと松崎さんの芝居をみてみたくなって思い立ったので、感想もそっちだけで。(古風なセリフまわしの、さぁ泣いてください系の難病恋愛ドラマが、基本、苦手なのです)
(さて、お仕事と関係なく、ちゃんとお金払って観たんだから、うふふふ。書きたいこと書いてしまっていいのよね)
おふたりとも、舞台のうえで求められているものを過不足なく、ごく自然に、二階席まで届く、強くて、ていねいな空気感で表現してらして、「さすが」という言葉でまとめるのもつまらないのだけれど、ほかに言葉が見つからない。
辰巳さんは、おぼつかない男子のたたずまいで、ちゃんと高校生に見せてて。それは繊細なやさしさにあふれてる男子で。
松崎さんは相変わらず、場の空気をびっと切り替えて話の流れを前に推進させるタイミングが極上で。あっけらかんと笑いもとってらしてて。
え?
うーん。
わたしの誉め言葉が、もたつく理由ですか?
えーとね。
実はね。
ふたりとも手堅く器用で、完璧すぎて、ちょっとつまんないのよ~
小手先の「崩し」もチャントまぜこんでくるから、んとに、始末におえん。
ずっとね、感じてるの。
この方たちはもっと、ちがう、ステキを持ってるはず。今のままでもステキだけれど、プラスアルファがね。
ただ、いろいろと忙しすぎて、腹くくって時間かけて何かとむきあえないから、発現できないんじゃないかってね。考えてんのよ。
辰巳さんはね、すべてを瞬時に先まで読んでしまう方だから、この方のリミッターは誰がどうすれば外せるのかな、と、見当がつかない。もちろん、リミッターがはずれて、いちど壊れて、そこから立ち上がってくるかれの芝居を観たい!と思うのは、わたしの趣味ですが。
松崎さんはね、あと5年か10年たって、上手に渋くシリアスな年のとり方ができたら、めちゃステキだろうなぁと楽しみなんだけれど。どうなのかな。まあ、これも、わたしの趣味。
かれらの過去の作品を観てないのが、くやしいなあ。
そうそう。一番、きゅんときたセリフ。辰巳さんの「(う)ん」でした。
んで、イラッときたのは、うわああそーいうアイドル声で歌わないでよぉ!と思ったとき。です。(これもわたしには苦手分野だったらしい)
ファンのみなさんは、アイドル声がやっぱいいのかなぁ。
あと、プロのジャグラー(大道芸人さん)が出てきたのですが、どなただったんだろう。
観てるときは、わぁケントくん? まさかこんなところで、きゃっ☆ とか思ったんだけれど、サイトのキャスト欄にお名まえはなかった。
芸風も、服の趣味も、めっちゃ難易度高い技をすぃっとこなしちゃう安定感も、ケントくんにしか見えなかったんだけど。(二階席なので、お顔がわかりませんでした)あのレベルの芸人がもうひとりいるとしたら、とんでもないことだわ!