あとりえあげん

劇作家・ミュージカル関連のコミックエッセイスト・多摩美校友会理事 活動ベースは三軒茶屋ですが八ヶ岳の別荘で在宅介護はじめました☆

[ブログ版] 世田谷区三軒茶屋で隠居してます。ときどき劇作家。HPはコチラ http://agen.web.fc2.com/

「いとこ同志」を観た

                  2007/7/31 19・00〜 / 東京芸術劇場

どうしようかな……。
アフタートークで沢野ひとしさんが、いや、おもしろかった!傑作です!とかおっしゃって。
終演後のロビーで偶然会ったピカるクンも、おもしろかったッスね!と言うから、思わず、ねえ?なんて話をあわせちゃったけれど。

もうひとつ、スッキリしない仕上がりだったような。
役者さんたちが達者な分、真面目すぎて芝居がくずれてこないから、荒唐無稽な馬鹿馬鹿しさを笑い損ねたとでもいうのか。 そしてゆえに、渡辺美佐子さんの透明で詩的な空間が際立たなかったかも? (ああ、でも声がステキ)

おもしろかったし、好きな系統な構成です。
宮本裕子さんが、ほんっとにチャーミング♡ 
客席のオトコたちはきっと、かの女たちに見とれてて、芝居そのものなんてどーでもよかったに違いない。

作家の坂手さんは、書くときにはいくつかの「枷」を決めて挑戦するとおっしゃっていた。 
その意味でこれは構成的な枷だらけで、きっとそれを突破することが目的となってしまってて、
もっというと、
裏でお着替えされているゆえの時間稼ぎが、シーンになっていないから、意味なくみえちゃったり、
くるりくるりと変わっていく関係性が、もうひとつ深みに欠けてたり。

あ、でも、直接ご本人に会ったら、楽しかったです〜♡ナンテ、言うんだろうな、わたしは。
うん。
坂手さんの場合、作品よりもご本人のファン。

 

前々回だかの続きを。
 
劇作と演出を兼ねることの良し悪しについて。
あれを書いた次の日、
平田オリザさんはセミナーの講義で、別々に考えたほうがイイですと断言されてました。
兼ねるとしても、自分が必死にそれを書いたことは一切忘れて、演出家の眼で新しいものとして出会えなければイケナイと。
(……そうか。 そしてわたしには出来そうにない)

坂手さんの作品で、今まで違和感を感じたことはなかったけれど、
今回だけは、他の方の演出も観たいかな?と思ったのでした。
そのほうが、持っている良さが整理されるんじゃないかなあ、とか。
もしくは、燐光群の役者さんたちのカラリとした演技で観る、とか?

幸せな結婚に似ているのかもしれないな、と思う。
芝居の台本と演出家の出会い。
そこそこな結婚、失敗した結婚、きっといろいろ。 うん、いろいろ。
そして居心地のいい空間と子どもたちが生まれてくれば、
きっとウレシイ。