劇場に踏み入れたら、ある意味「見慣れた」風景? って、案内(役者さんたち)が、ヘルメットにつなぎwwwで。 ちょっと楽しい趣向。
と思っていたら、次の趣向は閉所が苦手な自分には、冷や汗でした。
作・演出の坂手さんがブログで、取材した場所の再現をするとおっしゃってた時点で、心構えはしてたのですが、地下1000メートルを工事用エレベで降りる疑似体験は、――息苦しい。
ふぅっふぅっと、呼吸を整える。 イメージしなきゃいいのにイメージしちゃって、空間が重い。
タイトルを見た時点で予感があって、
一応、劇中で解題なシーンもあったけれど、それとは別に、
「たったひとりで戦争」している実感は、坂手さんご自身のものだよね、と思う。
震災後、「書けなくなった」とおっしゃる劇作家さんが多いのだそうです。
(じゃあ書かなきゃいいんじゃん、と言うと怒られるんだろうな)
書きにくくなったのは確かです。
価値観が崩壊してしまって、何が正しいのか、人は何を信じてどう生きればいいのか、答えが出し辛い。
何十年か前なら、問題提起だけで作品を創れたけれど、
昨今では代案なり転換方向なりを提示できないと、だから何?って印象になってしまうし。
みんなで笑って頑張ろうって、いやぁ、ちょっと、まあ、そうなんだけどネ、でも、それだけでもなくない?みたいな。
だからって書けない言い訳にはならない。
現に坂手さんは、せっせと多作を続けていらっしゃるわけで。
坂手さんの最近のキーワードのひとつに、どうやら「孤独」があるようで。
わたしが先日、ひびさんの音を聴きながら見つけたテーマでもあり、そこがチョット興味深いのですね。
この場合の「孤独」は、かなりスッゴク狭い意味で、
いろいろと考え続けていると、やっぱり、このニュアンスが自分の横をすり抜けていくのを実感するよねえと、
大勢の中で、ホントに数えるだけの人たちとしか共感できない?
この、ビロードのような手触り。
この孤独との戦いというか、受け入れというのかが、
今後のわたしたちの生き方に繋がっていくのかな、と思ってみたりするの。
というわけで、
伯爵さまの『欲望』の歌が今の自分にどう聴こえるか、とても楽しみ〜