あとりえあげん

劇作家・ミュージカル関連のコミックエッセイスト・多摩美校友会理事 活動ベースは三軒茶屋ですが八ヶ岳の別荘で在宅介護はじめました☆

[ブログ版] 世田谷区三軒茶屋で隠居してます。ときどき劇作家。HPはコチラ http://agen.web.fc2.com/

恨みつらみの味

京都の人は苦手だ。

 

わたしがこう思いこんだのは、高校生か大学生の頃。

TVで、京都の由緒あるお菓子が紹介されていた。仏前に備える前提で、いろいろな薬味を混ぜ込んだあんこものを、ごま油でじっくり揚げたので、半年ぐらいは優に持つという。

その味も未知ならば、食感も未知。由緒もすごい。

そしてそれが、なんと明日から、自宅(当時)近くのデパート(玉川高島屋SC)で販売されるというのだ!

 

次の日の昼下がり。買いに行った。販売員のおじさんは、京の言葉ではんなりつっけんどんに、売り切れです。とおっしゃった。それ以上の言葉なし。(子ども相手だと、軽くあしらわれたのも、あるかもしれないわね)内心むっとしながらも、もう入荷の予定はないのですか? と訊く。次の日だったか、その次の日だったかは忘れたけれど、もう一度だけ入荷するという。お礼を言って、ではまた来ます。

 

その日。ちょっとだけ出遅れた記憶はある。でもデパート開店30分以内ぐらいだったと思う。販売員のおじさんは、はんなりつっけんどんに、売り切れです。とだけおっしゃった。

そんなあ。TVで見て、スゴクスゴク食べたかったんですよ。まあ、みなさんがそうだったんでしょうねえ。どうすれば食べられますか? 無理です。

 

家に戻って、お店の人として態度が失礼じゃない?と母にぶちまけると、京都の人はプライドが高いからそんな感じなんじゃない? とか言われた。

はあ、そんなもんですか。

 

かくして。

その、たったひとりの方のせいで、その後何十年も、覆す人とも出会わないまま、わたしの中に妙にムカつくイメージが定着した。

 

(これを読んだ京都の方がいたら、すいません)

 

 

 

さて。

昨日はボランティアの帰りに、一駅逆方向に電車に乗って、お土産のお菓子を求めて日本橋三越へ。先日いただいた京都の阿闍梨餅がおいしくて、検索したらそちらにあるとの情報。ぐるりと歩いても見つからないので、コンシェルジュのおねえさんに訊く。場所を説明しながら、でもこの時間では残念ながら売り切れかもしれません。と言っていただく。(そうよ、この、「残念ながら」の一言が大切なのよ!)お礼を言って、お店ではなく各地の銘菓のコーナーへ。

阿闍梨餅はなかった。

その代わり、悪夢のように、くだんのお菓子が目の前にあった。TVで見たのよりずっとずっと小さいが、あのお菓子だ。

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むっふう。

 

最後の1個を買った。

 

 

(あ。お土産には同じエリアにあった鎌倉のクルミッ子を買いました! これもおいしいよね~☆)

 

 

40年間忘れなかった、失礼な販売員さんトコのお菓子は、素朴な味でした。シナモンの生八つ橋をごま油で揚げた感じ。あんこはふわっとしてるけど、きゅっと絞ってある皮の部分が、めっちゃ固い。ここはかみしめて味わう。いろんな味と食感が楽しいお菓子でした。

 

そして時の流れを想う。あんなにもったいぶってたのなあ。

 

40年前のわたしだったら、新しいおいしさとして感激したかもしれないのになあ。

 

ん? 賞味期限が1週間後? 半年持つんじゃなかったの? んん? それともこれは、半年前につくられたものなのかしら?(まあ、今どきの食品管理ってことだと思うけど)

 

 

 

でね。このブログを書こうとPCあけて、ほかのサイトをふと見たら、悪夢のように!

このお菓子の写真が載っていた!! なんなんだ? 

www.tjapan.jp

 

わたしの気持ちは、すでに記事中の高野のアップルパイに飛ぶ。高野のケーキは間違いないけれど、アップルパイは食べてない気がする~!!!