あとりえあげん

劇作家・ミュージカル関連のコミックエッセイスト・多摩美校友会理事 活動ベースは三軒茶屋ですが八ヶ岳の別荘で在宅介護はじめました☆

[ブログ版] 世田谷区三軒茶屋で隠居してます。ときどき劇作家。HPはコチラ http://agen.web.fc2.com/

「ADDICTION」を観た

                 2007/10/14 14・00〜 横浜フリンジフェス コンテナ劇場

正しいタイトルは「ADDICTION 今日一日を生きた君」 
薬物依存症をテーマにした、内谷正文さんのひとり芝居です。

戯曲セミナーでご一緒しているぶみさんは、現役一流CMモデル(生命保険の新聞一面ぶち抜きとか、サッポロビールとか)も続けているような超男前で、
正論を語らせるといゃあ、熱い熱い! 
その一方で、繊細さや'やんちゃ'も隠し持ってるキャラクターで。
ずっと役者としてのかれを観たかったのだけれど、この芝居、研究会とか学校とかって限られた場所での公演になってしまうので、今まで観られなかったの。

おお! 身体表現を突き詰めるタイプの役者さんだった!
(わたしの場合、芝居そのものの感想より先に表現形態のチェックがきてしまうけれど、堪忍!)
いろいろな役に次々と憑依されているようで、実は冷静に、最前列で涙が流れるままに観ているわたしを、演じながらちゃんと見ているなぁとわかり。
ひとり芝居を演じるって、そうか、すごい技術のバリエーションが必要なんだなあと思う。
(本人は最近、ベテランの方に100回も演じれは見えてくるものがあるよと言われて、気が遠くなったようだが)

ぶみさんは過去、ご自分も薬を使っていたことを隠さない。 芝居で演じているのはご家族がベースだ。
そして、この芝居のエンドはとてもあいまいな描写になっている。
薬物依存と戦う主人公(弟さん)は、現在も白い悪魔の支配と戦い続けている、まだまだどうなるかわからないという、あいまいさ。
それがずしんと問いかけてくる。 
今日は一日、人として生きられた。 明日は? その先は? 今日を一日生きたということを、感謝しよう。 生きることを許されたという、褒美……。

10月28日の朝日新聞朝刊の「ひと」欄で、かれとこの作品が紹介されてます。
ついでにそのエピソードを。

朝日新聞の記者さんはもう4年前から、かれを取材していたそうです。
ただ、薬物は一般に馴染みがないからとデスクにはねられて、ずっと記事にはならなかったんだって。
最近、リタリンとかで医者の処方による薬物依存が社会問題になったので、ようやく掲載の運びに。

でもその掲載日も、くるくる先送りになって。(やはり、タイムリーな有名人の話題が優先されたんだろうな) 
社会問題を世に問うということの難しさを、ほんのほんのちょっとだけ、実感。
新聞に載るってだけで、これだもの。 本人はすごい壁と戦っているんだろうなあ。

もっとついでに言うと。
わたしは今度こそ決定だと知らされた「27日」の朝刊を、コンビニで購入。
久々に読んだ朝日新聞の、つまらなかったこと! (「ひと」欄が他の人だった失望が手伝っていたにせよ) 
紙面に情熱も使命も感じられない。
新聞は、こうして滅びていく文化なのかなあと思った。 
(普段はネットの朝日新聞/無料 を愛読)

  

で、ぶみさん、なんですが♡
「死体と爆弾」の公演で、わたしは場転要員だったわけで。
そのとき、ミイラ役の包帯を頭に巻いてくれたのが、かれでした。
(うん♪ まもりちゃんとふたりで、ミイラになって場転してたの♪)
オトコに自分のアゴや髪に触らせるのを許すって、特別の感情が芽生えるのかもしれないって思った♡

というわけで、しばらくはぶみさんにも、ラブ♡モードっす♪