1週間、でしたね。 ミュージカル「TDV」の禁断症状 発症まで。 昨日はずっと、螺旋階段の画像と一緒にぐるんぐるんと、頭の中を同じ歌が流れていた。 ごめんなさい、とつぶやく。 み、観たいよ〜。
リーくんが宣伝ブログを更新してくれたおかげで、ちょっと救われる。 ラクのカーテンコールの画像。 いい感じです。 このブログから画像をいくつか自分のPCにダウンロードしたので、ああ、時代の流れはエライわね。 こんなお楽しみが手に入るなんて。 あとは11月発売のCDが手に入れば、しばらく生きていけるわね。
次は「M.A」? さてさて……。
やっぱり、カリオストロさんの有名な予言から入るんでしょうか。
「かれらは頭を失う運命にあるでしょう」
占い、の思い出。
その1
中学生の頃、わたしは学校にタロットカードを持っていった。 みんなときゃあきゃあと遊んだあと、ふだんは言葉もかわさないおとなしいクラスメートが、ぽつんと声をかけてきた。 「わたしも占って」
「いいよ。何を占う?」
「なんとなく、全体の感じ?」
……*……*……
「……ごめん。うまくカードを読めないみたい」
「そんなことも、あるんだ」
「うん。カードの意味がね、うまくつながっていかないの」
「バラバラの意味でもいいよ。何て、読めるの?」
「えっと、家族がうまくいってないって読めちゃうの。 あははは。 そんなことないよねぇ……?」
「…………未来は?」
「………………」
努力にかかわらずバラバラになるみたい、なんて告げる勇気のないわたしは、アンチョコ本を取り出して、
「未来に起こるカードの意味はこのページ。単語を全部みて。次のカードが変化の流れ、こっちのカードが周囲の人々のあなたへの影響、そして救済のヒント、最後が全体運。 単語から、あなたがイメージできる言葉を拾って、組み立てられる? ……答え」
「よくわかんないけど、なんとなく。……ありがと」
わたしはこれ以降、他人を占うのはやめた。 占うことは、その人の運命をも背負う覚悟が必要なんだと思ったので。 教師や母親という仕事から逃げるのも、同じ理由から。 中途半端な気持ちで、他人に口出ししちゃあイケマセン。
じゃあ、劇作家はどうよってことになる?
たとえばまんが家だったとき、わたしのまんがを読んで職業を変えた人に対して、責任は感じないわね。 わたしはキッカケを与えただけだって。 その人の人生、他人の一言で左右されるほど、単純なものじゃあないわよって。
(うーん、占い師や教師や母親も、そう思えばできるってことだろうか)
その2
20代の終わりかな。 パーティのアトラクションで若い女の占い師の前に座った。
「何を占いますか?」
「オトコ、について」
「相手の方とご自分の星座はわかりますか?」
「てんびん座とおとめ座です」
占い師はそれじゃあね、という顔をした。 ふん、占星術では相性最悪なのは知ってるわよ!
おお、しかし。 さいころをテーブルに振り落とした占い師は、驚いて凝視している。 わたしの顔を見る。
「大丈夫です」
相手の気持ちはわかっているの。これからどうすればいいのか、わからないんです。
「お互いの行動しだいですよ」
だからー? それでー?
……*……*……
「どうだった?」 席を立ったわたしに、他のまんが家さんが声をかける。
うーん、おおまか、当たっていたよ。 「わあ。次、わたしっ」とかの女は座る。
答えはもらえなかったけれどね、とわたしはつぶやく。
わたしはこれ以降、他人に占ってもらうのはやめた。
え? カリオストロのカバラ数秘術は占いとは違うの?
あれは詐欺師かパフォーマーか?
因みにときどき、詐欺師になれるかな、自分、と思う。 いや、思っていたと言ったほうが正確。 相手がそのとき、必要としている言葉(または逆)を読める。 言える。 動かせる。 だが過去、詐欺や悪徳商法にかなり近い職業についたとき、ノイローゼになった。 その人の運命をも背負う覚悟もないのに、口先で渡り歩いて、利益を得ていいのか?
わたしは相手を愉しませ、代償として(理不尽な)高額を払わせるパフォーマーだと居直れば、あの仕事を続けられたのだろうかと、ときどき思う。 いや無理。 それがわたしの良心。
じゃあ、劇作家はどうよってことになる?
詐欺師と舞台人との、差?
ここで、言葉につまるな、自分……。 まあ、まだアマチュア劇作家ですから。
うーん。
他人を踏みつけていく覚悟がないと、モノにはならないかなぁ……。
自分で自分を詐欺にかけるとしたら、どんな魔法をかけるだろうか。
「M.A」……。
原作を読めよ? ううん、舞台を観るまで取っておく。 思えば、大好きな挿絵画家がついていたのに、わたしは今まで「何故か」本を手に取らなかったんだから。