これから向かうべき日本社会の方向はどっちなんだろうかと、ときどきフト思うわけです。
自由主義とかアナーキズムとか、そのへんがわたしの好みだけれど、
個人としての責任意識が低い日本人の本質とはちょっとズレがある気がして、
あと2・30年たったとき、日本はどんな社会として飽和してるんだろうか?
それまでわたしは生き延びているかなあ。
かなり以前、酒の肴に社会のあり方について話していて、ではどの思想が一番近い考え方なんだよ?と尋ねられ、
アナーキスト(暴力は嫌い)かなあと答えたことを思い出しました。
そのあと、なんで自分がそう答えたのかを考えて、どうやら大学生の頃に愛読してたSF小説の影響だな、
ということも一緒に思い出しwww
ハインラインの『月は無慈悲な夜の女王』に出てくるナントカという教授が語る、
合理的無政府主義にとても共感したこと。
(確か、価値観とは相対的なものだみたいな考え方)
(今読むとどんなんなんだろう〜 わたしが読んだ時点で古典の風格だったからな〜)
そして ル=グウィンの『所有せざる人々』
これに出てくるのは、実験的な無政府社会主義(!)と資本主義の比較なんだが、
主人公の物理学者の選択の先に、クリエーターとして人間らしく生きる指針を感じて、
(20歳前後の自分としては、落ち込むたびに慰められ、励まされたのでした)
これもちょっと特殊なアナーキストなのかな、と思うけれど。
わたし自身の感覚は、このおふたりのアナーキズムな主張を軸に形成されてるのかな?
『所有せざる人々』で、主人公を最終的に受け入れた(救いの手をさしのべた)キャラが、
ブッディストをイメージしてた?みたいなことを思い出し、
無政府主義、社会主義、資本主義、帝国主義などなどの先には、
今さらながらの仏教思想があると、アーシュラおばさんは予知してたりするのか?と気になって。
本棚の奥からひっぱりだして、読む。
思い違いでしたけどね。ご愛敬のうちだわ。
文章が固くて難くて、理屈っぽいし説明的だし、手ごわい。
それでも、
自由な魂でいるためのスタンスとか支払いとかは、全部ここに書いてある。と思う。
わたしの生き方のベースになっている。
わたしはもう、何十年と読んでなかったけれど。
(人生や価値観という不安に、あまり振り回されなくなったので?)
(あ〜 他のことに振り回されてて後回しになってたのか??? 笑笑っ)
80年代/30数年前に書かれた小説ですので、パソコン、ましてやモバイルなんてない時代。
反逆分子の活動が、デモと手刷りの新聞―― 笑っちゃいけません。
や。今回、読んでて笑っちゃったけど。
それでも歌を歌いながら行進するデモの在り方に、
その様子が、主人公が組み立てる時間理念を象徴してて、わくわくしたんだ。
真理というのは、案外シンブルで他愛のないかたちなのかもしれない、とかね。
これらを思い出したキッカケの一つは、『ザ・イースト』という映画を見たせいもあるかな?
(この映画、あおり文句と内容がシックリしてない気がします)
多様な価値観に疑問を投げかけながら、善悪をつけない混沌。
観ていて居心地が悪い。
だから新しくておもしろかったんだけれど。
今後、あらゆる媒体でのテーマの描き方のモデルになる気がしました。
あ。小説にはときどきあるか?
(でもね。世の中には考えること、迷うことを放棄して、
生きる方向を与えられ固執したまま安心していたい人のほうが多いので、
表現形態の主流にはならないでしょうね)
この中に出てきたテロリストたちの生活も、アナーキストの一形態なのかなあ?
でも肌にあわないよなあ。と感じたのよ。
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なんかアイコンが黒いのばっかだね o(ΦωΦ)o