あとりえあげん

劇作家・ミュージカル関連のコミックエッセイスト・多摩美校友会理事 活動ベースは三軒茶屋ですが八ヶ岳の別荘で在宅介護はじめました☆

[ブログ版] 世田谷区三軒茶屋で隠居してます。ときどき劇作家。HPはコチラ http://agen.web.fc2.com/

54歳のためにも、

何かのついでにフト買ったまま、ずっと立てかけてあった本を、
ひょいと手にとって読み始めました。
 
 

17歳のための世界と日本の見方―セイゴオ先生の人間文化講義17歳のための世界と日本の見方―セイゴオ先生の人間文化講義
価格:¥ 1,836(税込)
発売日:2006-12-25
 
 
案の定というか、それ以上のシンクロ率で。
ああああぅ……
 
このところ、わたしが感じていて。
でもどう説明すれば他の人にわかってもらえるんだろう、この想い!
の数々が、
明快な言葉と、歴史などの裏付けをもって、講義されていました。
 
うれしい。
 
 
最近。言葉が足りないままに、がんばってちょっと友人に意見してみても。
よくわかってもらえないのは何故だろう?(間違ってるから?)と気弱になってましたが、
今後は、
友人に、世の中に、理解くらいはしてもらうために。
どうやって説明・表現するかを工夫しよう! 迷うのは、方向ではなくて、手段だ! 
と、思えるようになりました。
 
大丈夫。そんなにブレた考え方じゃないよね。
そしてしばらくは、ゆらゆらたゆたゆと、迷いながらもそちらを向いていていいよね。
 
 
つまり。
  
大切なのは、マルバツという結論を出すことではなく、
個々の違いを享受しながら、
それらを内包できる全体とはどういう世間かを、イメージしてみたい。
まあ、わたしが最近、感じてるのはそういうことなのだけれど。 
 
 
キリスト教がベースの社会を真似て、
自分こそが正論で絶対だと声高に叫んだり、二元論で答えを求めたり、
 
いや、でも。人間や社会なんて、割り切れないものなんだから、
ダレソレや、組織や、体制を、やたら敵視するよりも、
こうふわぁっと、抱きとめるように、みんなで全体を、解釈できないのかなあ。と。
でなきゃ、
答え/妥協案がみえてこないんじゃないかなあ、と。
 
世の中の大勢は、そうして、
どこまでもいつまでも考え続けることを、放棄してないかな、と。
 
 
そりゃね。いろいろと理解に苦しむことも多いけれど、
そこにあるのは悪意や頭の悪さだけではなくて、手際の悪さとか、裏事情とか、
そのへんについて、
説明を受けたり謎解きしたりしたいと、わたしは思うんだが。
 
集団的自衛権が内定したとたん、北朝鮮との外交/拉致問題が動いたように感じたんだけれど、気のせいなのかな?) 

 ・・・・・・
 
 
 
ところでこの本ですが、
十数年前の、大学での講義がベースになっているようです。
 
震災以降のこの数年、わたしが世の中を眺めながら、違和感を拾いつつ、
ずっと考え、ようやく答えの一つに触ったかも!と思った考え方は、
 
すでに十数年前、セイゴウ先生がとっくに講義で饒舌に語ってらしたということで、
 
自分のノロマを嗤うべきか、
 
セイゴウさんの講義内容が、世の中に浸透してないことを残念がるべきか、
でもわたしが、
なんかの拍子にこの本を買っておいてあったということは、
誰かの手を経てつながり、ゆっくりと浸透はしているのかな、とも思い。 
 
 
それにしても。
この本に書いてあることの裏側に続く、底なしの情報量とか。
入り口にすぎない、諸々の解釈の流れとか。
 
奥深いです。
 
読みながら何度も何度も息切れして、途中で疲れ果てて、
昨夜はついに章の途中で寝たのだけれど、
たくさんの「目からウロコ」にシェイクされた自分が、それは幸せで、
そして未だに多くの整理はつかないまま、
でも知識のカケラの羅列だけでも、実に実に、昂奮なのでした。
 
 
バロッコという言葉が出てくると、
 
ついでに思いだして、山岸凉子さんの検索をしたり
バロック=「ゆがんだ真珠」だと教わったのは、かの女の少年愛まんがからでした)
 
つまりは曼荼羅の世界観にも繋がるなあと、ポスターを眺めながらため息ついたりしてるから、
いちいちと大変なんだけれどね。
 
「ありのままの自分」と「あるがまま」は違うよ、とかね。
 
そうか。「つまらないものですが」と言いながら高価なプレゼントをするのが、
侘び寂びの侘び(詫びる)なのか、とか。
(でもこれは、謙虚なのか? 密かな傲慢か? それを超えた遊びなのか?)
 
もののあわれ」の、「もの」は霊的なものを指すとか、
 
公家社会の「あわれ」が武家社会になると「あっぱれ」となり、死の美学になったとか。
 
 
という情報で、
 
自分の価値観をかきまぜられてエラク楽しいっ!!と感じる方は、
ぜひ、ご一読ください。
数ページに一度は、うぎゃあぁっと叫びたくなります。
 
 
 
って、一読しただけじゃ、知識があたふたと通り過ぎていくだけだったわね。
 
そしてわたしは。
人間はよっぽどしたたかだから、変に心配しなくてもいいよね。とも思ったんだよ。