あとりえあげん

劇作家・ミュージカル関連のコミックエッセイスト・多摩美校友会理事 活動ベースは三軒茶屋ですが八ヶ岳の別荘で在宅介護はじめました☆

[ブログ版] 世田谷区三軒茶屋で隠居してます。ときどき劇作家。HPはコチラ http://agen.web.fc2.com/

「今度は愛妻家」を観た

            2007/11/10 19・00〜 アイピット目白 / 譚(はなし)倶楽部

戯曲セミナーで一緒のちょーふ(役者&制作)が
自分の劇団から突然代役を振られて、決まっていた客演を断って参加!と、ほんとに大変だったみたいで。
またこの男、みかけ倒しですぐ風邪をひくし。

それでまあ、当日券で観にいった。
「これで当日割引にするから」と渡された券をウッカリなくしてしまったのだけれど、受付でお知り合いは?と訊かれて答えたら、前売り料金にしてくれて。
ごていねいな劇団です。

タイトルの語呂が悪いので、ごめん、全然期待しないで行ったのだが、とてもウェルメイドな芝居で楽しめました。
ちょーふも、自分のブログでは台詞が入らないだの舞台でスッ転んだだのと大騒ぎですが、きっちりとした芝居をみせてくれてて、微笑。

ただねえ、せっかく夫婦の温度差を詰めておきながら、後半、息苦しさをファンタジーに逃してハートフルなエンディングにしてしまったことが、疑問。
昨今の流行では、いやしが演劇の条件なのだろうけれど。 

  

ちょーふについて。
「死体に爆弾」の初回ミーティングで演目を決めていたとき、かれは遅れてやってきた。
PCが旧過ぎてネットからダウンロードできないかれのために、候補作のプリントアウトをその場で渡す。
そして体温38度だったわたしは、ホントに容赦のないことをしてしまったのだけれど。
この役を今すぐ、やってみてくれないかな、と。 ちょーふがこの役できなかったら他の誰もできないから、この作品をやれないんだよ。

その役は老人の浮浪者で、死体相手のほぼひとり芝居が続く。
わたしはいくちゃんの書いたこの「違い」という作品をオムニバスの最後にやりたかった。
この役が出来そうならんさんは、日程があわなくて出来ないと言う。

気持ちの流れ、区切り。 声の高低、緩急。 おおう! これが初見か?
即、決定でしょ。
「待ってよ、オレだって他の稽古が……」
そのあとの自分のゴーインなたたみ掛けは、発熱のせいとはいえ、ひどかったと思う。
ごめんね、ちょーふ。
あんたはいい役者さんだよ!

稽古場で。 わたしは誰かと立ち話をしていて。
ちょーふ、こっち来て。 「何?」 向こう向いて。 ……はい、いいよ。 
背中に張り付いてた糸くずを取っただけなのだが、かれは非常に非常にテレた。
うん。
こういうのも、男の色気のうちだね。