あとりえあげん

劇作家・ミュージカル関連のコミックエッセイスト・多摩美校友会理事 活動ベースは三軒茶屋ですが八ヶ岳の別荘で在宅介護はじめました☆

[ブログ版] 世田谷区三軒茶屋で隠居してます。ときどき劇作家。HPはコチラ http://agen.web.fc2.com/

リーディング「言えない男」

(美容院から、ただいま。 部分ストパも入れて2時間半かかった。 体力派のアシストくんが念入りにマッサージしてくれたので、首・肩がほぐれて少しぼやーっとしてます。 エクステ、秋色にしました。 これから会う人、お楽しみに)

昨日の劇作ワークショップは、世田谷区民集会所/演劇OK(多くは、演劇NG)の会場で、メンバーの数人と、おまねきした女優さんによるリーディング。
演目は、数ヶ月前処女作を書き上げたmoyuの作品「言えない男」。
同じ講座・講師を受講していた半年だったので、わたしもずっと横で読んだり、ちょこっとだけ口を挟んだりと親密感が強い作品。
(で、来月はわたしの「エゴイスト」の予定。ううっ、ふ、震える)

過去、友人と自分たちの作品を読みあった経験はあるのだけれど、今回は稽古場でプロの役者さんたち。
(当たり前ですが)全然、違います! す、すごい……。
最初のト書きが読まれていると、主人公役はスイッチがはいってぐでんぐでんに酔っ払い、机(ドア)をノックしている。 動きながら、役が置かれた状況を体感・確認しているのがわかる。 妻役(ベテラン女優さん)が「はいはいはいはい」とおっしゃったとたん、ぞぞっときた。 暗い廊下に電気が灯された色が見えた、かもしれない。
肉体を通した台詞、意識の交換、瞬時の計算、音を立てたり簡単な動作による時間のつかみ方。……。

一通り読み終わったあと、演じた方がその役についての印象や解釈を語ると、書いたり読んだりした時点では気付かなかったことが立ち上がってくるし。
役者と作家の視点やスタンスの持ち方の差も、わかってくるし。 全然違うんだよね。 指摘されたことをフィードバックしたうえで台詞と向き合うと、ちょっと感覚のバランスの重さが変わってくるのがわかる。 

稽古場ではわからなかったけれど、場所をビストロにうつして、↑の女優さんと正面から顔をあわせたら、白塗りメイクがスライドして重なり、思わず横にいた師匠を叩いて、「で、出てた? あ、あれに、出てらしたよねっ」「どれ? 出てないよ」「違う、あ、あっちっ」(軽いパニック  ^_^; ) 「ああ。うん、出てた」
糸地獄2006でステキな芝居をしていらしたおひとりで、岸田理生戯曲を演じる役者としてのあり方とかを伺ってしまいました。 舞台とは言葉と筋だけじゃないのよ、と。 体感して再現する空気のようなものである、とか。

書かれて、読まれて、聞く人がいて。 
劇作はここまでで「ひとくくり」なんだと、改めてというより、初めて、実感した。