あとりえあげん

劇作家・ミュージカル関連のコミックエッセイスト・多摩美校友会理事 活動ベースは三軒茶屋ですが八ヶ岳の別荘で在宅介護はじめました☆

[ブログ版] 世田谷区三軒茶屋で隠居してます。ときどき劇作家。HPはコチラ http://agen.web.fc2.com/

『ザ・キャラクター』を観た

2010.4.13. 19:00〜 東京芸術劇場

野田秀樹さんのチケットなんて取れないのが当たりまえ!なんだって、今までチットモ努力してなかったのですが、ふと気付くとこれは当日券あり!でした。
わたしはいそいそとe+のすぐチケで取ったので席が選べず、2階席でちょっと後悔。

野田さんのナマ舞台を観るのは、初めてか?? いや、どっかで観てるかな?
TVの舞台中継では確実にいろいろと拝見してますが。 最初に観たのはナンだっただろうと考えるが思い出せないし。
あれ??? なんでだ?

なのでなんとなく、昔々の自由で元気なテイストが復活?とか感じたけれど、なんでそう思ったのか根拠なし。 分析もできない。
惜しみなく金のかかった、才能が咲き乱れる、アングラな悪夢だが、商業演劇としての広がりもあるし、世界規模の演劇交流のあとも感じる。 
そして、今の立場(公立劇場の芸術監督)だから許されるというのか、今の立場なのに扱っちゃいますかコレを!というのか。 この方のスタンスは解き放たれてる。 

 

どういう偶然なのか、わたしの扱いたかったモチーフが多数、展開される舞台。
えー、何? 嘘っ! あー。
(まあ、作品に「呼ばれる」ってのはこーいうことか)
なのに全然わくわくしないのは何故だろうと考えるうちに、気付く。

意図的に、精神性を排除しているんだ。
肉体も含めて、すべてモノとしての表現が前に出ている???
で、何故かといえば、テーマが。
精神の脆弱を、最後の一言でバッサリと切り落とすため。 

 

いつもは、音としての言葉遊びが真実を切り裂いていく快感が、
今回は、漢字という視覚にまで及んでいる。
そして、
どういう仕組みなのか(2階席は遠い!)、白い素材に水があたると墨色に変色し(だから人々は床いっぱいに字を書き続ける)、
照明を浴びて水が乾くと、時間とともに墨色は白い地色に戻る。

それは後半、
血みどろの殺人現場のイメージすら、あっという間に移ろわせる。 蒸発させる。

 

それにしても。
最後のバッサリが描く意味はキツいよ〜〜〜。 
わたしは、心臓が、止まりそうでした〜〜〜〜〜〜〜〜〜