あとりえあげん

劇作家・ミュージカル関連のコミックエッセイスト・多摩美校友会理事 活動ベースは三軒茶屋ですが八ヶ岳の別荘で在宅介護はじめました☆

[ブログ版] 世田谷区三軒茶屋で隠居してます。ときどき劇作家。HPはコチラ http://agen.web.fc2.com/

のらくら音頭

昨年の9月、11月の直島影絵団としての体験のひとつふたつを話すね。

 

公演があった直島ホールは特異な体育館で、まず空調がないのよ。自然のよさを取り入れケアされてる造りになってるとかで、建築としてすごく大きな賞をもらってる。

でもね。正直、11月は寒かったよ。

おばさんとしては、床に座るときはショールを敷いて、使い捨てカイロはおなかに一個、つま先に一個ずつ。

唯一あったかいとこみつけたよ~ トイレの便座~!と言ったら、メンバーたちが苦笑した。ほらね、何も言わないけど、みんなだって実は寒いなあと感じながら、ガラス越しの日差し最高とか言いながら、考えないようにしてたよね。

 

話題がそれたな。

このホールが素晴らしく素晴らしかったのが、のっぺりと白くどこまでも高い天井でした。声がね、それは気持ちよく響き渡るの。

毎朝の歌練、ん~~あ~~と発声もどきをしてたんだけどね、

声が身体中にびんびんと響き、震え、血流がめぐるのが実感できたし、

わたしは初めて、音の高さによって声帯の箇所を使い分けるってヤツを実感したんだよ。知識としては知ってたけど、実感するのは別。感動。

 

ミュージカル俳優に、ミリ単位だけど近づけた気分で、ひとりでほかほかしたわ~ 笑わないでよ~ だって、そうだったんだよ~

 

 

 

もうひとつの大切な経験は、

人前で歌って踊ったことだな。わたし、お金を取る公演をいくつか作ってはきたけれど、お金取る公演で自身がパフォするのは初めてだったと思う。

パフォーマンスといっても、みんなで輪になって、のらくら音頭 ↓↓ を歌いながら、各自勝手な振りで踊るって程度だけどね。

 

のらくら音頭 feat 直島影絵団 | 東郷清丸 (Togo Kiyomaru)

※ 恐ろしいことに、コーラスしてます。えー、こっちはなんのデビューだ?

  写真の奥の黒服がわたしですなwww

 

上手である必要はなかった。歌詞の内容、のらくら気分に観客を巻き込むって感じかな~ でも翌日、見ていたAちゃんから踊りが一番好きだったと言ってもらえたんだから、解釈ははずしてなかったんだと思う。

 

正直、一日目は、舞台横から降りて客席に飛び出しても、お客ナンテ目に入らなかったよ。こちとら素人です。踊りの輪を見て立ち上がった子どもに一瞬おいでと手を伸ばしたけれど、巻き込むまではいたらなかった。(川村さんから参加の強制はしないでねと言われてた)

 

二日目はね、見えたの。暗い客席から、みんながきらっきらの金色の笑顔で見返してきた。踊ってて、身体いっぱいに、背中にも、にこにこの視線が集まってるのを感じた。

 

表現とか主張じゃない。上手であることも目的じゃない。世界観に連れていく、じゃないな。みんなで一緒に体感できるよう、解放できるように、このからだでガイドするのか?ってのを実感した。

この初めての実感がね、とても大切だった。

 

 

間違いないと確信したのは、打ち上げで私の近くに座りたがってくれた人たちがいたことだった。え、おばあちゃんの横? 若い子たちじゃなくていいの? と、そのときは少し面喰ったのだけど、

翌日、踊りの解釈を褒めてもらった後に、気づいた。

かれらは、のらくら音頭とわたしの仕草に引き込まれて、幸せだったんだね。日常から、ちょっとだけ解放されたんだね。

 

 

ミュージカル俳優に、もう1ミリくらい、近づけたのかな。と思うことにしよう。

(あ。すべてのミュー俳優がそうとも限らないことは承知してますよwww)

 

 

そしてそのあと書いたホンは、たぶん今までとは少し違う感じに、気持ちが開かれた手触りになった気がする。大切大切。