あとりえあげん

劇作家・ミュージカル関連のコミックエッセイスト・多摩美校友会理事 活動ベースは三軒茶屋ですが八ヶ岳の別荘で在宅介護はじめました☆

[ブログ版] 世田谷区三軒茶屋で隠居してます。ときどき劇作家。HPはコチラ http://agen.web.fc2.com/

伝わること

さっき、なんとなくついてたTVで、アサダマオの特集をしてた。

異例に長い45秒のステップを情感豊かな見せ場にして優勝したというのは、世の中では有名なコトなんでしょうか。
(うといです [E:coldsweats01])

その45秒は、古い古い映画のワンシーンをイメージして作られているとか。
古めかしいドラマティックな名シーンは、感情の垂れ流しそのもの。 よろめくオンナの後ろ姿が次々と館の扉を開いていくのを、毒を飲ませた亭主とカメラが追うってのがカッコイイ。

音楽にのせて、
フィギュアスケートの選手は冷静に技術を魅せている。
表現という感情操作は動作のトリガーでしかない。
なのに、
祈りのようなものが伝わってきて、胸が熱くなる。

感動しているのは、表現されている感情そのものではない。
(観ている人によっては、どう捉えるか変わってくるか)
もちろん、音楽や動作やかの女の集中力が糸口になって。

でも感動は、
別の、
もっと遠くに高くにある、内なる振動。

選手という楽器が奏でる、音の、向こうにある……。

別の世界。

観客は、そこに連れて行ってもらうという、存在にすぎない。