あとりえあげん

劇作家・ミュージカル関連のコミックエッセイスト・多摩美校友会理事 活動ベースは三軒茶屋ですが八ヶ岳の別荘で在宅介護はじめました☆

[ブログ版] 世田谷区三軒茶屋で隠居してます。ときどき劇作家。HPはコチラ http://agen.web.fc2.com/

あたたかな他人

八幡山で飲んでいて、時計を見るとシンデレラ・タイム。 終電、ヤバいかも。

渋谷までは無事、電車でたどり着く。 が、地下鉄への階段、電気はついているのにシャッターが下りていた。 あれ? 時間的には走れば、ギリで終電OKじゃないのか? と思っても、シャッターが下りてちゃ仕方がない。 

渋谷から、246号線を南下。 歩いて。 今夜はチリワインでちょっと酔っ払っている。

それにしても、この人の多さはなんなんだ、渋谷駅。  無自覚にはしゃぐ幸せそうなガキたち。 寝る場所キープのためだけに、ホテルに誘いたがってる(たぶん)目線の男たち。

だが、駅を少しはずれると、街の風景がオレンジ色ににじんで温かくなる。 はにかんでいるというのか、仲間意識が漂うというのか。
まだまだ営業中の小洒落たパブ。 ディスプレイ替えをしているコンビニ。 灯りの落ちた看板たち。 通り過ぎる何台もの救急車。 そして頭上の首都高3号線。

欠点だらけの人類を、愛してると心から思える時間。
街の音は遠く、人は眠り、目をこすって起きている。 
わたしの自我は酒に溶け、蒸発し、微笑みになる。

喉が渇いた。 缶ジュースを買って、飲みながら歩く。
あれ、さっきから同じ後姿が前を歩いてるなぁ。 大学の先輩を思い出させる風貌。 ちょっと、安心(根拠がない)。 

クリスマスシーズン。景気は、中途半端に上向きってトコなのか。
ライティングはしてある、が工夫や配置にセンスがなくて見苦しい店が多い。
それすらも、おおらかに微笑んでしまえるのは、夜の魔法と酔いが覚めかけたワインの名残。

前を歩いたいたかれ、一駅分でペースダウン。 しょうのないヘタレだなあ。 追い越す。

歩く。 ずんずんと歩く。 実は師匠からまんが本を4冊借りている。 バッグがだんだん重くなってきた。 くっそぉ……重いよぉ。

いきつけの歯医者の看板が見えると、わたしの中では自分の住む街に帰ってきたという意識になる。
昼間、汗を流したフィットネスを過ぎ。
このまま昼になったら行くはずの美容院を眺め。
にしても、三茶もなんでこんなに人があふれてるかなぁ。 深夜過ぎだよ。
まだ店を開けている雑貨屋のウィンドウに、等身大のジャックのぬいぐるみをみつける。 立ち止まる。 出来はよくないが、ほしい……。 だって等身大だよ。 (ごくり。ベッドインも……?きゃー!ジャックと、かよ?きゃーきゃー)

はあ、おうちについた。 ただいまぁ。 酔い覚めのお水、ごくごくごく。

あれ? もしかしたら、……疲れすぎて眠れない? こんな時間に、なんでブログを書いてるんだ、わたし???