平日ソワレ(夜公演)のチケットを買って、気付いたことは開演が6時だってことだった。 会社が終わってすぐ、どこでもドアを使っても、間に合わないじゃん。
仕事の様子を見ながら、早退を考えて。 スケジュールの見当がついた(ついたのか?)あたりでryoちゃんに、「どーせだから半休(有休)とって、その辺で遊ぼうかと思うんだけれど」
「……そうだね。たまには」
わたしのストレスは、かれが1番わかっている。
ちいさな会社なので健康診断は、指定のお医者に変わりばんこに行く。 わたしはなんとなく流れで、今日を選んでしまった。
なので、半休なのに朝一でクリニックへ。
わたしは要経過観察レベルの「多血症」。 血の気が多いらしいというと、おい、笑ったでしょ、今。
お医者も勉強しているらしく、去年まではとにかく水分を摂りなさいとしか言わなかったのに、今年はまず「サウナはやめた方がいいですよ」。
わかりました、ほどほどにします。 「違う。 ダメ、です。 脱水症状を起こすことは全部やめてください」 は、はい。
……今、気付いたが、半身浴もいけないのか? げっっ。
そして「献血してください」 はあ……? 「血を抜くのが手っ取り早いってことです。 だったら世のためと自分のためにね」
このお医者、ジョーク込みでこのネタ(?)を仕入れたな。
健康のために吸血鬼を1匹、飼ってますのよ、オホホ。 なんて、言ってみたいな。 いや、欲しいかも。 どこかで売ってないかな、吸血鬼。
で、会社に行く。 ぱたぱたと、3時間半ほど作業やらなにやら。(昼食時間は別途)
えへへへ。 内心ごめんと思いながら、会社を出る。
空が、青い。 秋の色だ。 ポケットに手を突っ込み、ゆっくりと歩く。
必要だったのは、この時間……。
上野公園は、遠足のガキンチョが大勢、走り回っている。 ダリ展もミイラ展もパスして、仏像展をセレクト。 さすがにここの客は、ジジババが大半だ。 声はうるさいが、走り回りはしないだけマシ。 ババに押しのけられたり、ジジに擦り寄られたりはするけれど。 わたしが見入っていると、同じ視点で見たくなるんですかね。
「美しい国、日本」だかのキャッチコピーに、シラけた人は多かったと思う。
でもね、
それとは別に、自分にとって、日本の美しさ、日本人の美しさはなんだろうかとそれぞれが考えることは大切だと思うのね。
わたしの中で、仏教は半分中国文化なのだけれど、それを通した日本もいいかな?というのが、仏像を見に行った理由。
よかったですヨ。
仏教を信仰していないわたしには、仏像はオブジェ。 想いは木を削って彫って、複雑な人の形を取り出した仏師たちに飛ぶ。
仏師は基本、すけべな人間好き(含ロリータ)か、権力への迎合者かな。
そして生きていることを愉しんでいる。
木を彫りこんでいって、この木目が出てきたときはうれしかっただろうなあ。
見る角度で表情はこんなに違って見えるのね。 おっ、ベストアングル。
わあ、この像。 詠唱が聞える。 風を纏っている。 威張っている。 人々を護っている。 癒している……。 許している……。 笑っている。
公園の、大樹の下で立ち止まる。 ベンチに座る。 風がざわめき、空を透かした葉や枝から、降ってくるのはいのち、だ。 風のしずく。
ゆっくりと夕闇て、空気が変わっていく。
有楽町のMUJIでお買い物。
もうひとつのプランで、日比谷公園を歩き、松本楼(ってまだ健在?)でカレーを食べるのもいいかなと思ってたけれど。
すとんと夜が、色を塗り替えていたので。
劇場へ。
↓(11/14)のブログに続く。