あとりえあげん

劇作家・ミュージカル関連のコミックエッセイスト・多摩美校友会理事 活動ベースは三軒茶屋ですが八ヶ岳の別荘で在宅介護はじめました☆

[ブログ版] 世田谷区三軒茶屋で隠居してます。ときどき劇作家。HPはコチラ http://agen.web.fc2.com/

『盆踊り(ってクコールさんが言ったもン)』を観た・笑・

大切なコトを忘れてました。

 

確かに舞台から気力やら元気やらをたくさんもらったけれど、
城主さまの姿を見たら
身もココロも蕩けて自分が使い物にならなくなるってことを、忘れてたぁ……。

 

どーするんだ。 わたしの7月。

 

     *  *  *

 

ダンス・オブ・ヴァンパイア』、昨日は初日でした。

2009.7.5. 17・30〜 帝国劇場

 

3年前と同じ役者さんと違う役者さんが、3年前とまったく同じ手順で舞台をしているのに、
演技の方向とかもそんなに変わらないのに、
ドラマやキャラや、シーンや言葉や笑いの意味が際立ってきていて、かなり濃い仕上がりでした。 
しかも、初日だってのに、安定して濃い。
愛情をこめて丁寧に、客観的に、創りこまれている。 
キャラによってはクドイくらいに。 でもそのクドさが浮かないくらい、全体が「厚さ」を持っている。

うぁあああ〜♡

 

誰から褒めようって、そりゃ、教授でしょ。 ものすごいブラボォですよ。
こんなにかっこいい役者さんだったんですね、ナンテ言ったら怒られますが。
さりげなく役を創りこまれて、ノホホンと演じられて。 知識人という幼稚さが秀逸。
で、何がスゴイって、3年前には不自然に感じていた状況とかストーリィの流れとかを、
この教授が全部、消しちゃった。 

 

って、さ。
褒めようとなったら、全員ひとりずつを褒めなきゃいけなくなることに、気付いた……。
みんなみんな。 ひとりずつ。 ステキでしたネって言うことが、ちゃんとあるんだ。 また、これが、一つずつでなく。
まあ、どうしましょう。

 

なので、全体に。
実は、それぞれの「生きる飢餓感」が少し出てきた印象に、わくわくしました。
コメディなんですけどね。 その奥にね。 「飢え」という哀しさを秘めている、ような。 
いないような。
「存在する」自分を支えるのは「飢え」ですか?というのが、もしかしたらこの夏のわたしのテーマかもしれません。

 

     *  *  *

たとえばさっき、
歩きながら、『抑えがたい欲望』って「渇望」のこと?とか考えてました。
今のわたしたちは生きることに「飢(かつ)える」ってことないよなあ。
だから、
もしかしたら憧れがある? 自分が何かを渇望すること。 もしくは自分以外の渇望する誰かに、自分を投影すること。

 

     *  *  *
  

舞台装置のリニューアル部分は、「おおっ」と「はあ?」と。
タラップと光を巧く作って、昼なお暗く深い城の奥行きが生まれた一瞬は、ため息がでました。 最近のミュージカルの醍醐味。

 
前回では確かフリオさんのいじり場所だった箇所が、ヘルさまのいじりになってたのは、あれ?と戸惑いました。 (ったく、どこを観てんだかネ・苦笑・)

 

     *  *  *
  

あと、
わたしが劇作するとき、数人がてんで勝手に変わりばんこに台詞を並べるシーンをずいぶん書いて嫌がられたのですが。
ミュージカルではアタリマエじゃん。 と、気付いた。
いや、芝居でそれをやるとしたら、なんか作法として洗練しないといけないのかな。
(これも自分の、夏の宿題)