あとりえあげん

劇作家・ミュージカル関連のコミックエッセイスト・多摩美校友会理事 活動ベースは三軒茶屋ですが八ヶ岳の別荘で在宅介護はじめました☆

[ブログ版] 世田谷区三軒茶屋で隠居してます。ときどき劇作家。HPはコチラ http://agen.web.fc2.com/

『いたち』

自分のための舞台感想メモです

 

今月中旬にとてもとても素晴らしい、今までのとは別モノ?といいたくなるようなミュージカル『モーツァルト!』をみて、
今年も舞台は見納め~♡とほくほくしてたら、年末にご招待が2件入りました。なんてステキ。
 

と思ったら、こっちの作品は、
えーと、
久しぶりの睡魔と戦う系の芝居で。あ~
昭和初期に書かれた戯曲を若手演出家で、という企画。

戯曲に書かれた説明過剰を、刈り込むことも考えてよかったんじゃないの?と思うし。たぶん1行も削らなかったんだろうけれど、
お芝居ってのはそのときどきの空気に流されるもので、意固地でつくるものではないのでは?と思うわけで。

 

とにかく。これじゃいかん!と二幕は姿勢をただして、観ました。
今に通じるテーマではある。だけど、眠い。 

 

何がイケナイって、
方言で芝居をするために、たぶんネイティブに読みあげてもらった音源で言葉を覚えられたのだと思うのだけれど、
もっと繊細な芝居ができるはずの役者さんが、資料音源のつまんない芝居、言い回しをそのまま再現されてしまったので、セリフ回しのリズムが単調で単調で。 

生きた言葉ってむずかしいね。

 

「あーやってらんないよなあ」というセリフが、もっと強烈に哀しくタタなければいけないと思うのだけれど。ほんとに複雑な意味合いを含んでいるので。言葉を受ける側が中途半端なのかな。発する女優さんに、もっとたっぷりした何かが必要だったのかな。とか。
ここを境に、客席の価値観が真逆になるべきなのに。

 

装置と照明がとてもすてきでした。特に装置。あの空気感の再現はすばらしいな。