マシュのご案内で友人と観てきました。
マシュも自分がまるで出演してない芝居の動員、ご苦労さまだわね。
この芝居、初演から30年くらいかな。
今回、たぶんテキストを少し削ったり、言葉を現代風に置き換えたりしてたと思うの。
それでも古風な言い回しに、苦笑してしまう箇所も多かったけれどね。
クオリティ・オブ・ライフと安楽死や自殺幇助に伴う周囲の判断がテーマで、
「命の尊厳は自分で選択できるはず」という気持ちが裁判で容認されるドラマです。
医療技術が躍進した今だからこそ、シンプルな訴えとして響いてきました。
作家のヒューマニティがここまでいきわたっていたんだなぁと、今だから思う。
習慣化、管理化されてる病院のシステムも、底をささえているのはお医者の倫理と愛情だと、
ちゃんと書かれている。
最近、あらためて四季節の硬さがあげつらわれていますが、
論理的なこの芝居では逆に活かされていました。
台詞術としては間違いじゃないのよ。
ただ基本であって最終段階じゃないのに、そこを越えられない人たちがほとんどだから、
奇妙なことになっちゃうんだと思うわ。
しゃべりが硬くても、自分のからだをきちんと支配できていれば、
自分自身の魅力をきちんと立ち上げられていれば、雑味のないクリアな想いを届けられるはずなのよ。
健の役はあじさん。
これがね、日下さんが演じたときより好きでした❤
色気や青年の惑いがほんのりとあるの。
なにげない台詞に秘められた苦悩がチラついて、共感できて涙ぐんでしまう。
それとね。
この劇団で日下さんの役を継ぐっていうのは、どんだけのプレッシャーか。
日下さんのよさは崩さず自分のカラーも醸せたことは、とても素晴らしいですよ。
土くさいお医者がひとりいて、確かにこういうお医者っているよなぁと思ったら、
吉谷さんでした〜 ^m^
ずぼっとそこにいるだけで、人の存在をメッセージできる役者さん、久しぶりだわ。
さすがだわ。
全体によい芝居で、
吉井先生の照明は目立たないけど、もぉっっっ美しくて。
土屋さんの装置も、後ろの処理がさりげないけど洗練されてて。
さいごの緞帳を下ろす速度の緩急にさえ、神経がいきわたっている。
・・・・・・さすがだわ。
と、調子こいてミュージカルのほうを観にいくと、
仕上げの雑とか、
芝居の下手下手とかに、
また泣きたくなったりするのかな〜