あとりえあげん

劇作家・ミュージカル関連のコミックエッセイスト・多摩美校友会理事 活動ベースは三軒茶屋ですが八ヶ岳の別荘で在宅介護はじめました☆

[ブログ版] 世田谷区三軒茶屋で隠居してます。ときどき劇作家。HPはコチラ http://agen.web.fc2.com/

『ムラサメ』『女1』を観た

2010.1.24.  13:00〜 阿佐ヶ谷アルシェ / 劇団ダルメシアン

坂本鈴の作・演、久しぶりに役者も少し。

久しぶりの役者業というのが、他人に依頼するにはささやか過ぎるような役を、自分でやっちゃったって感じで、クールに裏に回れる劇団代表ってのもかっこいいね。

鈴自身はかわいい童顔のエッチいキャラ(!)で、そっちを活かせばいくらでもヲタ男子を動員できそうなのに、いつだって女本意の作品直球勝負。

今回気付いたのは、女優さんが鈴の書いた台詞を、自分の心からの言葉として発している凄さ。 20代後半女子の、ホントは隠しておきたい、でも叫びたい、誰かに救って欲しいという本音。
そして男子は、そうか、これは鈴、だけでなくて、すべての女子が、男子から言って欲しい言葉を話している。
鈴のテキストの凄さは、そんな言って欲しい台詞なんぞは妄想であると自覚しているところ。 それを超えた日常に意味を問いかける。

もうひとつ。
鈴の演出に応える役者陣が、全員とてもチャーミングに見えること。
鈴の要求は、ひとりひとりのチャーミングをシンプルに、存分に引き出し、キラキラと輝かせる。 

タイトルがふたつあるのは、
『ムラサメ』では、地味な脇役であった女の子の、その後の人生が『女1』という趣向。
この役をやった女優さんがね、
あー、いるよね、こーいうイラつく女っ!だったのを、だんだんかわいく見えて応援したくなるような女に持っていくんだ。