あとりえあげん

劇作家・ミュージカル関連のコミックエッセイスト・多摩美校友会理事 活動ベースは三軒茶屋ですが八ヶ岳の別荘で在宅介護はじめました☆

[ブログ版] 世田谷区三軒茶屋で隠居してます。ときどき劇作家。HPはコチラ http://agen.web.fc2.com/

『忘れ人』を観た

2010.1.23. 19:00〜 「劇」小劇場 / playunit fullfull

ヒロセエリの作・演。 同級生同士で結婚するような地方都市とか、思い出のタイムカプセルとか。 わたしには未知の世界なのだが、なんとなくノスタルジィ。

丁寧な心理描写。 人の刹那さ、狡さ、愛らしさ。
(パズルのように考え抜かれた作劇方)

あぅぁぁ。
男のずるさに引きずられる女のシーンに、ヒヤヒヤどきどき。
吹っ切ってタンカを切る女に、かっこいー(でも、現実はなー)、とか。

このテキストがおもしろかったのは、たぶん、エリちゃんが自分のコンプレックスとちゃんと向き合ったからなんだろうなと思う。
迷いなく、ストレートに、デリケートな言いたいことが、伝わってくる。

エリちゃんというのは、自分はダメダメだと思い込み(美人で賢いのに!)、しっかりしなくちゃとエンドレスに悩み続けている女子で。
会うたびに。
前髪、切ったんだね。 かわいいじゃん、とか。
恋してるのかい? キレイになったね、とか。
条件反射的に、
もっと自分に自信を持てよ、みたいなことをわたしは言わされてしまう。

のだが、今回は。

作・演の「こうしたい!」という強い思いは、役者さんたちに迷いを与えず、謙虚な集中力を引き出すのかな。
爽やかで、気持ちがいい舞台だった。

 

不景気の中、小劇場系は淘汰されていくだろうとか囁かれているが、
残っていくユニットは残る。 そう確信したよ。