ダンス オブ ヴァンパイア @帝国劇場
結局チケットは全部で5枚、手に入れました。このミュージカルだけは、そう。病気なのだわ。なんですよ。公演中、日常的にそわそわしてしまうの。
東京公演はともかく、地方公演の最中は、できるだけ考えないようにするのだけれど、名古屋あたりだと突発的に行ってしまったことは、あるわねw
現時点で、2回観ました。
めっちゃ前寄りの席。なので全体が観えてない傾向はあるかもしれません。ダブルキャストの神田さんと佐藤さんは、まだ拝見してません。
桜井さんと東さんと開次さんは、え。あと1回ずつかぁ。うう、足りない。成分が。
o(ΦωΦ)o プルプルプル
何年にもわたって、こんだけの回数観ていても、心が揺さぶられるミュージカルなんです。響いてくる。そして劇場を出るときが、超気持ちいい!
とかいうと、すごく重厚でヒューマンでハートフルなのかと思われそうですが、ちがいます。うさんくさくて、からっぽで、悪ふざけ系の大騒ぎ。ちょっとだけ哲学。
なのに都度、新しい発見があるのは、
わたしの体調・心象のせいかもしれないし、演じる側のせいかもしれないし、演出家の術中にハマったせいかもしれません。
とか言いつつ、わたしずぅぅぅぅっと、にまにましながら舞台、観てんだよなぁ。よだれ垂らしそうな顔してんだろうなぁ。
「うさんくさい」人間が、スゴク魅力的なのって、どういうことだろうかと考えてみます。(これは大道芸にも通じるかもしれません)
すてきな笑顔で愛想よくて、ハラを割って全部みせてるようで、
だけどその奥で、何考えてるか全然わかんない感じ?
伯爵さまだけでなく、キャラ全員がそうなんじゃないかな?
ってかね、今回、サラとアルフレートがゆとり世代タイプでね~ なにがあっても基本動じない、自分の存在を過信しているマイペース型? だからあたふたしてるようでも迷いがなくて。で、それが作品を、今までとはまるで違う、いい味わいと説得力にしてたみたい。
今回の公演から。
美術が一新されました。地方の劇場の都合なのかな、クレーンがなくなったのは残念。ぶぁぁぁっと現れる伯爵さま、大好きなのに。
サラのお風呂の、シャボン玉マシーンも、好きだったのにな。残念。
宿屋の建物感がアップしたの、スゴクよかったと思います。
窓の下まで伯爵がきて、リアルにうろついてる感じが、ホラーっぽいし、伯爵といいながら実は、腐ってたり錆びてたりするお城に棲んでるんだよね(でも村娘のサラにはあこがれw)という感じが、見えてきた!
お城の中を、黒い生き物たちがもやもやうごめいてるのも、好きだわ。
そして全員の演技が、今までの全面コミカル系から、少しリアルに、落ち着かせた方向になったのも、成功してると感じます。人間の二面性があぶり出されてきたっていうのかなぁ。
伯爵の、にこやかな胡散臭さや欲望と、隠された理性による苦悩!の対比もクリアになったし。
教授は鉄壁な人格(?)なんだけど、一言だけ「くだらん」って揺らぎがあるじゃないですか。あのセリフが大好きなんですが、そこまでの教授の人生の道のりを、いろいろ想像してしまいました。誰がかれを、ここまで頑なにさせたんだろう、的に。
クコールが、なんかとても、やさしくなったよね。これは幕間のクコール劇場のせい?
桜井さんのサラは、少女の不安定と女のしたたかの、両方を行き来する気分があって、いいなぁ。
相葉さんのアルフレートは、模範生っぽいのかな。東さんのアルフレートは、のびのびとおおらかで肉食ね。
阿知波ねえさんのレベッカは、よりチャーミングになった気がします。あきらめることなく、マグダと張り合う気、満々なレベッカになったというか。
コングさんのシャガールも、ねえ、だんだんかわいくなってってる?
ちひろちゃんのマグダがね。アルフレートに胸を見られたあとの表情が、それそれ、それが正解~!とw
そして、血を吸われるシーンが、このミュージカルを正統派のホラーに持っていきました! 白いネグリジェの美し~血みどろ。
植原さんのヘルベルトが、今までになかったタイプで。あの、「息子」の意味が。
過去の長男(初代ヘル)から三男(ヘルヘル)までは、伯爵の文字通りの息子だったけど、このヘルベルトは愛人臭が、するwww
だから1幕の終盤で、伯爵がアルフレートを軽くなでたりするのが、全然、ちがって見えるぅwww
(そうそう。三男ヘルヘルの上口くんはね、前回の公演で、最後のダンスレクチャーする前に、小さく息をのんでハラを据えたのがわたしの席から見えてね。そのあとは、一気に、はっちゃけて。ハラを据えて自分を壊せるって大切なんだなぁと思わせてくれました!)
「♪夜を感じろ」のヴォーカル4人が、キャスト全とっかえで、今までのメンツが好きすぎてたし、今回一番のどきどきでしたが、ステキでした!
そして。
やっぱり一番、好きなのは「♪抑えがたい欲望」のシーンで。
伯爵の化身である開次さんが踊る所作が、本体から分離した獣性にも、欲望という本能にも見えて。
それを静かに、理性を持って、見据える伯爵がね、ぐしゃっと響いてくるのです。わしづかみにされる。
欲望と理性と。両方に引き据えられるから、魂は、美しいの。たぶん。
1回目の観劇はソワレで。暮れなずむ街を歩きながら、劇城に向かいました。なかなか気分が盛り上がった。↓↓ こんな感じの風景の中。
その日いただいたルミカライトは血の色で、しばらくこんな感じで持ち歩いてました。
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このマスコットのりーくんは、昔のバージョンです。
このコは、ほんもののりーくん(の中の人!)と面会したことあるのが、こっそりと自慢だったりするのでした。