あとりえあげん

劇作家・ミュージカル関連のコミックエッセイスト・多摩美校友会理事 活動ベースは三軒茶屋ですが八ヶ岳の別荘で在宅介護はじめました☆

[ブログ版] 世田谷区三軒茶屋で隠居してます。ときどき劇作家。HPはコチラ http://agen.web.fc2.com/

ミュージカル『レベッカ』 3回め

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2019初観劇は『レベッカ』、シアタークリエ公演。

暮れのプレビュー公演2回観劇につづき、3回めです。

これで「わたし」役のトリプルキャスト全制覇。ミセス・ダンヴァースは全部知寿さんですが。

 

 

最終的にこの作品は、シアタークリエサイズ(キャパが600くらい)が似合うのかなと思う。収まるところに収まった感。

袖中はもう少し広さが欲しいようですが。(オケの居場所が、両袖中に組まれた2階/モニター使ってるのだろうけど、演者はタイミングやカウントを取りづらそう)

 

音楽にたっぷりたっぷり(ややゆっくり)を感じながら、劇場の大きさと音楽の速度について考える。劇場がこじんまりしたら、シーンによって、スピードは心持ちアップしたほうがいいのかな?とか。

ついでに言うと客層とのバランスも考える。この回はミュージカル(演劇)慣れしてないお客が多かったと感じ(たぶん桜井さん/乃木坂のファン!)、客席がずっといい感じに緊張してたのに、2幕の書斎のシーンあたりで少し、客席に疲れ?がでてきたような。

慣れない方には、休憩あっても2時間以上の座りっぱなしの集中維持はキツイよなあ。それでも生真面目に、集中しつづけてらっしゃるのだわ!と思うと、心が熱くなる。新しい文化へようこそ。

 

ミュージカルの客席の半数が男子(年齢も多様)であるというのも、新鮮です。男子トイレに行列ができてたみたい? (で。そしてそのおかげで、劇場外の女子トイレが空いてた~!) 幕間や終演後に、考え考え、アンケートに熱心に書き込んでらっしゃる男子たちにも、心が熱くなる。

なんか、新しい接点が生まれつつあるのかもしれない?という空気がステキでした。

 

桜井さんをきっかけに、ミュージカルそのもののファンになってくれるといいなぁ。クリエの案内女子たち(全員かわいい!)のファンでもよし。

 

 そして桜井さんが、ミュージカル女優を続けてくださいますように! と思う。

リアルとのオーバーラップもあって、不安、心もとなさ、からの決心とかが、なんかとても腑に落ちる。首の姿勢がまだ舞台女優していないのも初々しい。客席が一緒にハラハラしてしまう共感力とか。すばらしい「わたし」でした。

トリプルキャストのおねえさんたちと、いい関係で稽古できたのかなと感じます。

 

ベアトリスと ♪女は強くなる~ と歌うシーンは、ほんとに三者三様の「わたし」なのですね。なんであそこで、その人ごとの個性が大きく違って出てくるのかしら。

世界中を敵に回しても、この男が好き!と気づいてからの、他人への信頼度なのかな。

 

そして。マキシムが、この年齢差の女子と恋愛するのが不自然なくみえるように、ピュアをぶちまけた芝居をつくってて。大昔のトニー(WSS)やラウル(ファントム)やピーター(キスプレ)を演じたころの、きらきらと恋する男子な祐一郎さんに、もう懐かしいやら面はゆいやらうれしいやらw

ん? 欲目かしらん。

 

知寿さんのダンヴァースが芝居を少し変えてきていて、1幕では「わたし」を歯牙にかけてないというか、静かでキツイ怒りのターゲットはマキシムで、「わたし」はそれに利用されただけ、みたいに見えました!(2幕になってからは、はっきりと邪魔扱い) 1幕の幕切れのマキシムの所作のせいもあるかな。あのドレスの件は、「わたし」へというより、マキシムへの嫌がらせだったのね。とか思う。

というわけで、「わたし」の立ち位置が「論外に蚊帳の外」という哀しみが増幅されてましたよ。こわい哀しい泣きそう。

 

あ、「ダニー」という呼び名ね。ダンヴァース+ナニー(乳母)ってこと?とか、思いついちゃった。レベッカ嬢ちゃまとジャック坊ちゃまの、くすくす笑いが聞こえてきそうだわ。