オボロな記憶を頼りに、小学生のころ感銘を受けた本を探し出して、買いました。今どきは便利ね。シュバイツァーの伝記です。
これを機に、いろんなことが判明。
シュバイツァーを知らない方は、こちらを読んでくださいね。
ちなみにアマゾンだと。
古本で299円+送料。このページから注文して買ったんだけれど、上の画像とは作者名が違うでしょう? これについても考察しました。後述します。
ちなみにほかのサイトだと1500円だったりします。
絶版である大きな理由は、アフリカ人を「土人」「やばん人」と書いていることでしょう。1965年(発行年についても後述)、わたしが読んだのは70年ごろなわけですが、そのころはね、悪意なくそんな言葉でアドベンチャー感に酔う、まだまだな時代でした。
小学生のわたしは買ってもらった本を繰り返し繰り返し読む子どもでしたが、今、読み返してみて、どれだけ読んだことやらと、自分ながら呆れましたよ。
まず、幼い自分の作文を読んでるみたいで気持ちが悪い。文体がモロ影響受けてます。(その後のわたしは平井和正や夢野久作などを経て変遷していきますが、これはまた別の話)
そして、わたしに備わるあらゆる分別のおおもとが、ここにありました。
そっかあ。この本が自分の人生のバイブルになっていたのか。自分自身のいろいろが理解できた気がして、少しほっとします。博愛や頑固や思い上がり。物理的な作業の構築、整理、進行の手順。思索、瞑想。哲学を持つこと。異文化、異人種の受け入れ。他人の善意と、無知。ええ。小学生にしてガッツリ刷り込まれましたよw
(つまりこの一冊を読むと、わたしのことがスゴク理解できるようになると思われますwww)
ところで以前にも少し書きましたが、ネット検索によると、昨今のシュバイツァーの悪評は大きくふたつあるようです。
・現地にヨーロッパ文化、特に食文化を押し付け、病人を量産した。
・「人類は兄弟」と説いていながら、その実は白人優位。
ふたつめのほうは、児童文学の権威が書いてらして、シュバイツァーを例に、人の評価はあらゆる角度から知らなくてはと、アメリカやイギリスがどのようにアフリカ大陸を利用したか、書かれた内容のようです。(高額なので読む予定はない~)
でもねえ。
今回読んだ本の印象だけで語るのは危険かもしれませんが、当時のヨーロッパ人の経済や価値観の中で、このふたつ、言いがかりでは?とか思っちゃいますよ。(だからほんとは、寺村さんの本を読まなきゃいけないんだけど)
食生活に関しては、ヨーロッパから(無理やり)食料を輸入させるための習慣の書き換え政策だったのではないかと、これ誰か、経済方面の人にご講義願いたいのだけれど。
それはもう国の問題で、個人の責ではないでしょう?(自国の利益(または自分の子どものパン)のために、親切なふりして他国を踏みにじる。帝国?資本主義的なこれはこれでまた、別の論議が必要なんだけど)
西洋医学を学んだお医者が東洋医学も取り入れ始めたのなんて、ほんの最近のことで。日本人の医者の食事療法を理解できなかった(と、何件かのサイトにあります)とか、手足をちょん切り過ぎだとか、これはね、時代的に仕方ない。(温存の考え方も最近のことです)
現代の価値観からすれば、間違いも多かった。だとしても、
酔狂や売名だけでできたことではないし、
アフリカの人たちから評価されていない。という言い方も、どこまで信憑性があるのかわかりづらい。(この場合はとにかく、数人の言い分・感想を総意のように振り回す人、いますから。気をつけねば)
今回、感動したのは、
戦時中の物資欠乏。病院閉鎖の危機の中、当時フランス領のランバネラに、アメリカやイギリス・スウェーデンから薬品や物資の寄付が届いたという記述。戦時中にそんな発想ができる心の豊かさ。
そして黒人たちの治療は無償であり、病院で働くスタッフたちも無償であること。(寄付と私費で賄われていた)子どものころとこの年齢になった今とでは、重さがまるで違って響いてきました。
さて。
今回読んでいて、ちょっと鼻につくくらい繰り返されるある種の文章に(そしてわたしは見事、刷り込まれたわけですが)、ふと、作者はクリスチャンではないかと予感しました。
それで「青山 直」さんを検索したのですが、ヒットしない。似たおなまえのサッカー選手がいて、not-検索してもその方しかヒットしない。
で。アマゾンのページで表記されてる「池田宣政」さんをしらべてみました。
(梁川剛一さんは挿絵画家さんです。ここは共通)
おや。いろんなペンネームで書いてらっしゃるようです。
今度は「シュバイツァー 池田」で検索。ポプラ社のページがヒット。
同じタイトルの本が1976年に改訂版として出たようです。(表紙画像はなし)
ようやく腑に落ちました。これは推測だけれど「青山 直」もペンネームのひとつなのではないでしょうか。改訂されるのを機に、通りの良いほうの名にした、とか。
そしてウィキペディアによると、南洋一郎さんはカトリックの洗礼を受けていらっしゃる。ほらね。わたしの予感と一致してますよ。
そしてここからが、一番のうっわーっなのですが、
南洋一郎さんの代表作。児童向けの「怪盗ルパン全集」。このうちの数冊も、小学生のわたしの愛読書なのです。
小学生のころ、わたしはホームズよりもルパン!派でした。
これ↑↑は何か所か、子ども心にも意訳が過ぎるのでは?と感じていて、いまだにあれはどうだったのだろうと、ときどき思い返してた本です。
文脈の違和感とか、落としどころとしてこの一文を書いたんだろうなとか、かわいげのない読み手でしたね、わたし。
ああ。そういえば、語り口、似てたかな。
いまだにね、劇場席番とかで「H」だと、オルタンスのHはAから8番目、ってよぎるのよ~
というわけで、わたしをつくりあげた恩人(なんとお呼びしよう???)と今、ようやく出会えたのですよ。