もじゃくんの大道芸をみていると、ときどき不思議な化学反応が起こるんだよ。銀座での大道芸で、久しぶりに体感したの。
さっき、お菓子作りの洗い物をしながらフト思い返して、
おだやかなケムにまいているようで実はなかなか、人たらしな悪巧みをいろいろと仕込んでいる気がしてきて、
くすくす笑う。あの化学反応だって起こるべくしてなのかもなって考える。
ん。昔は、なんとなくやってたこと(そのムラっけに、わたしはいつもハラハラしてたよ)が、今ではちゃんと分析して、意識して、毎回ちゃんと起こしているって気がしたんだ。
ほかの大道芸人さん、ぜひ気づけよ!と言いたいところだが、もしかしたらもじゃくんの企業秘密かもしれないので、
ここには書かない。
もじゃくんのショーは、特にモノスゴイ!なにかを見せるわけではないの。というより、もっとスゴッ!なことが実際できるのに、してない。
なのに、
ショーがたけなわになってくると、見物している人たちのにこにこわくわくが、ずずんっと圧になるほど、もじゃくんに集中するんだ。
わりと前のほうに座ってみているわたしは、背後からわたしの髪や背にそっと触れるほど押し寄せてくる、ほかの人たちのきらきらした気配に包まれる。
それは、なんだろう。わたしを幸せにしてくれるチカラをもっている。たまたまその場に居合わせた、全然知らない人たちの想いが、わたしをふんわりと幸せにしてくれるんだよね。
人々のそれは、大好きとか応援したい要求とかになって、我も我もとばかりの、心地よい投げ銭タイムにつながっていくわけで、
その一連の流れが起きたとき、わたしは最高のマジック、最高の大道芸をみせてもらえた気持ちになるんだ。