父と毎年夏の恒例になりつつある、のうのう能in八ヶ岳。8/16の演目は『羽衣』でした。
今年こそはと開場時間前に到着、正面席というより俗に言うかぶりつきのおざぶとんに座る。
膝の20センチ先が舞台って近さです。
(*^_^*) えへへへ
会場が観世さん家のお稽古場なので、夢のような位置に座れるのです。
能舞台は、舞台そのものが共鳴板(空間)になっているのは知識として知っていましたが、
演者さんの発声も、そこに響かせることを意識するのだそうです。
(と、講座タイムで教えていただきました)
だから地謡は、腹に響くような低い発声になるのですって。ふむ。
声を空間に放つのではなく、地面を通して見物に響かせる。神に捧ぐ。のかな?
インプロやアドリブもありません。すべて型にはまった中で表現しますとも解説される。
神さまに対する礼儀のようなものを感じる。
能の持つ特殊や普遍。身体表現としての洗練。そしてナマっぽさ。
んん。
ナマナマしさを排除しているようで、
逆に、凝縮された人間の感情が伝わってくるような気がするのですよね。
シテの着付けやオモテをつけるところを見せていただけるのも、この公演の醍醐味のひとつです。
ふぅぅ きれい ―― わかっていながらも、ため息。
そして演者さんが、無私になり、ふんわりと人以外の存在に移行していく見事。
『羽衣』
ただもう、きれいきれいな金色の光に祝福された舞台でした。くらくら。
(*'o'*) わーーー
正面席に座ったから、囃し方の音も真正面から響いてくる。
全身が響きに包まれる。
しかもナント! 小鼓が女性でした。
男性と同じ音程だけれどどこか柔らかなお声で、小鼓の音も小気味よく、
きっぱりとした大鼓(去年と同じ方!)との緩急あるハーモニーがそれは心地よく、
そこにからむ笛(こちらも去年と同じ方!)の音が、もぅ・・・・・・
そして半歩控えている感の太鼓と地謡。
全体に練れている。
くらくらくらくら (*゚▽゚*) 聴き惚れちゃったぃ
オモテが、不思議な小面でね。
はじめは恥らうようにけぶっていて、表情も茫洋としていたのに。
舞が進むにつれてくるくると、くっきりとしたいろんな少女の顔に見えた気がしたのでした。
そしてシテ方の可憐。
初々しかったり、ねっとりしてたり。
ごめんなさい。今回はワキの方が視界の外に弾き飛ばされちゃった。
演者さんの「無私」が、天人というキャラそのものである「私」となり、
それを通して見物の「私」も新しく生まれ変わる、ような舞台。
お袖が(たぶん空高い宙から)振られて、豊かな金色が地上に撒き散らされる、ような。
豊かな存在に祝福されたような。
間近から、うっとりと見上げ続けておりましたよ。世界は金色でした。
実は次の日には体験講座があり、
舞台に上がって、能面をかけられるというスペシャル。
えええええっ!!!
たたたたた体験したいですぅ、無様をさらして恥もかきます。かまいません。
これももう、是非ぃぃぃ。という後ろ髪。
東京で花火を見る約束が勝ちましたが。
来年は来年は来年はぜひとも参加したいのでした。
(花火、被らないといいなぁ)
ちなみに来年の演目は8/22『葵上』です。