セタボラ(世田谷ボランティア協会)を通じて、おもしろいイベントに参加したよ。
世田谷が被災したときを想定し、中学校に避難所を開く訓練。
消防署と学校(含・生徒有志)と町内会(地域住民)とボランティアが参加。
世田谷区にはおもしろい発想があって、通常は災害が起こった時点でその地域に災害ボランティアセンターが立ち上がるのだけれど、日常から立ち上げておいて、対策を試行錯誤しておこうということらしい。
だから訓練というより、やってみることによる問題点のピックアップ。
ボランティアスタッフを演じるというボランティアです。 ややっこしいわね。
具体的な役割りは「中学校の調理実習室で時間内に豚汁100人分をつくる」。
前日の夕方にミーティングが2時間。
各種説明と、参加者8人のはじめましてのあと、リーダーを決めたら、
「(フォローはしますが)あと、よろしく」とポンと投げ出されました。 リーダーを中心に話し合って、時間内に買い出しと備品準備を済ませるように、と。
手前味噌ですが、きゃーとか言いながら、この初対面のチームワークと判断力と行動力は見事でしたよ。
豚汁100人分って、見当つかないですよね。 わたされた家庭用レシピ4人分なんて、目安にもならないしっ。
「PCで検索したい」と言ったら、協会スタッフさんがご自分のノートをくるりとわたしに向けました。 んっとに、出来る限りは自分たちにやらせる方針だな。
わたしが検索をかけてる間に、他の方たちはさくさくとチーム分けして、半数は備品準備に部屋を出ていく。
豚汁100人分レシピ、ヒット!
大根100gを目安とすればって、だから何本分よ。 数種のサイトを見るものの、それじゃ具沢山すぎるよ、と声が飛ぶ。 予算は? 今回、そこはこだわらなくていいですと、協会のスタッフさん。
ンじゃ、こんな感じ?とわたしが数字を言うと、他の方が修正し、また他の方がどんどんメモして。 よしっ、買出しだっと、吹き荒れる雨の中、近所のスーパーへ。
豚汁100人分 (お椀サイズ) 経費/約10000円
ジャガイモ 50個
ダイコン 5本
ニンジン 15本
ごぼう 12本
こんにゃく 10枚
ブタコマ+バラ肉 2.5kg
味噌 1.5kg
ほんだし
水 20リットル (1人200cc計算です)
全員が再度集合して、明日の具材別の役割りを決めて、この日は解散。
今日はいいお天気でしたね。
うちからはバスで20分のところにある中学校。
赤いスタジャンを渡される。
あとから思ったけれど、色とりどりなエプロンにバンダナで三角巾して、赤いスタジャンのわたしたち、かなりキュートだったんじゃないかと。 (これも手前味噌だわね)
事前の確認をしたつもりでも、いろいろと出てくるもので。
調理実習室を探しても、用意されてると言われてた包丁がないっ、とか。
(学校なんだから、きっと刃物は「管理」されてるよね、と気づき、リーダーから学校の主事さんに伝えて、準備室の鍵をあけてもらう)
調理で一番時間がかかるのは、「お湯を沸かすこと」。
ひとりが、最初に2リットル単位でいくつもお湯を沸かし始めてくれる。
こんにゃくの下茹でと、
根菜は水から煮ていくものだが、大鍋だと時間がかかりすぎるので、少ない水で煮始めて、差し湯をする考え方。
配るときに不公平感がでないためには、具材は細かめに切るといいそうです。
早く火を通すためにもね。
ごぼうは時間的に下茹でできないことを考えて、ササガキにして水にさらしていたけれど、
ん。 進行状況に余裕ありそうだな。
手の空いた方に頼んで、出来た半分からざっと(水から)茹でてもらいました。
やっぱりこんにゃくとごぼうは、下茹でするのがポイント。
因みに、サトイモでなくてジャガイモを選んだのは、下茹でしなくてすむからです。
わたし? ごぼうを8本くらいササガキにした〜
こういう作業のとき。 リーダーがね、あと○分です!と刻んでくれたのが助かりました。
〜の作業、始めなきゃ!と、次に進める。
味見の段階になってくると、男性たちがこだわり始めたので、女子たちは片付けに廻り始められました。 床のモップまで、ざっくりできたからね。
タイム・アップ! すごい。 とりあえず、できるもんだねえ。
今回はそのあと、意見交換会の時間があって、
(他の方たちは、簡易トイレ設置とか、放送設備の確認とか、受水槽や医療室点検とか、避難所受付の設置とか、体育館にブルーシートを敷くとか、校庭で火を起こしてアルファ米をつくるとか――)
その30分の間の余熱が、豚汁を完璧なおいしさに仕上げてくれました。
アルファ米。 初めて頂きました。
今日は特別に五目。
ちょっとクセがあり、日常ではすぐにはおいしいとは言えないけれど、非常時にはおいしいだろうな。 豚汁は、メチャおいしかったってば!
午後は、避難所運営のシンポジウム。
興味深いお話がたくさんありました。 ふぅっ、避難所リーダーの勉強、しておいたほうがいいのかな。 自分がリーダーにとかっていうんじゃなくて、考え方とかしなきゃいけないこととか、みんなで知っていたほうが、よりよい運営を目指せそう。
行政のフォローは、発災後3日間は来ないのが大前提。 3日間は自分たちだけで、肩を寄せ合って生き抜く。 そのためには――
避難所とは。
みんなで生き抜くための場所。 ひとりでも多くの人を死なせないための場所。 そのためには――
みんなで考えていかなければいけないことは、まだまだたくさんありそうです。
最後に、昨日伺ったお話。
この週末。 セタボラの別働隊は、山田町にガレキ撤去/最近では埋まったガレキを取り除く作業、に向かわれたのですが、
作業中、泥の中からヒトノホネが出てきたそうです。
これだけ時間が立ってから、ようやく見つけられたご遺体。 行方不明者。
同時に、
発見してしまった方の、心的ショック。 そのフォロー。
まだまだ、続いているのです。