あとりえあげん

劇作家・ミュージカル関連のコミックエッセイスト・多摩美校友会理事 活動ベースは三軒茶屋ですが八ヶ岳の別荘で在宅介護はじめました☆

[ブログ版] 世田谷区三軒茶屋で隠居してます。ときどき劇作家。HPはコチラ http://agen.web.fc2.com/

今年のNHKは

資産運用の株所有のせいで報道が甘いとか、いろいろと叩かれるNHKですが、
それでもわたしは、好き。

特に今年は素晴らしい企画が並び、
先日は、撮影スタッフが高感度カメラをかついで、エベレストに登ってました。

登山家は登山家としては素晴らしいけれど、表現者としては、つまりその、初心者っぽい(ごめんなさいっ)わけでして、
カメラが登る臨場感、見渡す感動は、それはそれは――
成し遂げたスタッフの感情も、ステキで。

直前まで衛星電話で、天気予報士さんと慎重なプランを重ねてらしたのですが、
こーなってくると、天気予報士さんも、人の命を預かるお仕事なのだなと、実感する。
(前日には、荒れた天候の山頂でベテランの日本人が亡くなったそうです)

とにかく、自分では絶対に行けない「エベレストに登る、山頂から見渡す」という疑似体験を、努力して伝えてくれた。
みんなさぁ、受信料くらい気持ちよく払おうよっ!と思う。

 

で、昨日は、国際宇宙ステーションからの生中継。 地球の表層の移りゆく天体ショー。
こちらでは古川宇宙飛行士に、高感度カメラの撮影技術を仕込んだ。
膨大なミッションの合間に、見事に応えた古川さんも、ステキだ。
(無重力下の固定作業がどれだけ困難かも考えずに、人遣いが荒すぎる!とスタジオゲストの毛利さんが、古川さんの仕事をとても褒めていらした!)

(で、この番組本番が10分×4回に当然事前の+αが入っての回線に、NASAにいくら払ったんだろう?とか、も考えたりする)

生中継では、なかなか安定した画像は難しかったようだけれど、
なによりも、
今、この瞬間に、地球で起こっている、雷やオーロラや流星が、日の出や月の入りが、
目の前の自宅のTVに映っているんだよ!!

まず、このプログラムを計算した人、エラい。 すごい。
偶然ですと番組では説明していたけれど、高い確率で拾えるように計算して選んだ時間と場所に違いない。

オーロラのリングの立体感や、太陽の強烈なエネルギーの実感は、
半端ない感動だった!!

 

番組として、あらかじめ撮り溜めてあった画像も素晴らしく。 
国際政治を俯瞰して眺められる、ような、気分になる。
東北の夜の暗さを思えば、もっともっと節電できるんじゃないの?という気分にも、
アラブの油田で無駄に燃やしているガスは、どうなのよ?(いやに赤く見える)とか、
韓国と日本の間で夜釣りしている漁船(無数の白い点)の多さに、こりゃ、海域の取り合いにもなるわなぁ、とか。

 

わたしが10歳くらいだったかなあ。
母が、「いいから。 ちょうど今なんだから見て行きなさいヨ」と、尻込みする御用聞きのおにいさんを招いて、庭からTVを見せていた。 アポロの月面着陸の生中継。
わたしは白い半分の月を見上げて、あそこに今、人間(と人が作った機械)がいるのかと、
とてもとても奇妙な感覚だった。

ふと、思い出して。
あのとき、「その場そのときに居合わせる感動」の優先が、母には当然だったけれど、
御用聞きのおにいさんには、実はどうだったのかな?と、心配になった。
母(客)の話にあわせて、すごいですね、とかおっしゃっていたけれど、
本当は無関心で、ありがた迷惑、だったかもしれなかったのでは?と。

だってなんだか、世の中では、
昨日の宇宙の渚からの生中継には無関心っぽい気がするんだもの。