前の文章で、
「本棚から探し出して読み直すリスト」
って書いたついでに。
なんで読み直したの?って、言わなくてもお心当たりに当たった方は、
はい。 その通りです。 (ღˇ◡ˇ)♥ と、笑っていただくことにして。
最近、本を読む量がペースダウンしているので、なんとなく、ゆっくりと読み散らかしてるところ、なんですが。
不思議だなあ、と思う。 作家ご本人が、です。
探したら、本棚からは文庫本が4冊、出てきました。
入り口は覚えています。 『六の宮の姫君』がどっかのコラムで紹介されていて、読んだらそれはおしゃれにおもしろくって!
で、他の作品も?って検索したら、実にステキすぎるタイトルがずらりと並びまして、
『冬のオペラ』に『水に眠る』ですよ。 きゃっ。 その短編集2冊を読み、
あと1冊は『ミステリは万華鏡』というエッセイ。
といいつつ、
「巫 弓彦」? 誰だっけ、それ???ってくらい、きれいに忘れてました。
(ちなみに『冬のオペラ』に出てくる名探偵の名まえで、先だって祐一郎さんがその後日談みたいなドラマを演った[E:scissors]のですね)
というわけで『冬のオペラ(他2編)』を探し出して、読み始めようとしてびっくり。
何も覚えていない。 きれいに、なんにも。
デジャブ(既視)感もない。
で、さらさらとした透明な文章を、心地よく追うのだけれど、
ミステリーとしての驚きはなくて(これはたぶん初見のときから)、種明かしのあとに続く人の刹那さにきゅんとして。
あのね、
もっと出来の悪い小説だって、よっぽど何かしらを覚えているものでしょう。
読み出すと、ああ、これはあーなるんだよな、とか。 そうそう、これこれ、とか。
それが、全然、ない。
平板でつまらない? いえいえ、マレに見る知的興奮を味あわせてくださるのに。
なんでだ? わからんっ。
まあ、今度は「巫(かんなぎ)」さんの台詞が、いちいち違って立ち上がってくるので、
別に楽しかったりもしたのですが、
『水に眠る』の最初の2編を読んでも、なんにも覚えていないので、
『六の宮の姫君』を初めから、新鮮に、読み始めました。
むかし、キャラメルのキャッチコピーに「2度おいしい」というのがあったけれど、
どうやら北村薫さんの作品は、
何度読んでも、都度、新しくおいしい――のかも、しれません。
もう一回言うけど、なんでだろう???