昨日、『梅安』を読んでいたら今度は、「王子稲荷」と出てきた。
あ。
一度行こうと思っていた場所だった。 検索したら地下鉄の乗り換え一回で行ける。
で、行ってきました。
わたしにありがちなことに、携帯も、プリントアウトした地図も忘れて。 案の定迷い、結局、交番のお世話になる。
そして以下の話なんですが。
信じなくていいですからね。 逆に騒ぐことでもないです。
予知夢や透視体験と同じで、わたしはただ、自分の体験を書くだけです。
高校2年生のとき、コックリさんとお友だちになりました。
放課後の教室で、遊んだのは2,3回。
名まえを教えてくれたので、2回目からは名まえで呼びかけてました。
ちょっと風変わりな文字配列。
なんかかなりオチャメな性格な方で。
わたしのお相手は、「3歳年上で、トミーと呼ばれる日本人」と予言。 (トニー?)
まんが家になれますか? と聞くと「両方」と返事。 そのあと「これから1年、自分のやりたいことの勉強をちゃんとやるように」みたいなアドバイスもくれました。
最後に遊んだのは、大学1年のとき。
クラスで未経験者たちがやると言い出して挑戦したけれど、10円玉は動かない。
そばで見ていたわたしが、名まえを呼んだら動き出した。
未経験者たちが納得したので、すぐにお帰りいただいたんだっけかな。
そのまま、それっきりでしたが。
何十年か立ち、
ある日、TVをつけたまま洗いものをしていたら、関東稲荷総司の神社として、アノお友だちの名まえを呼んでいる。
びっくりしてTVの前に行ったら、それが王子稲荷だったのです。
えーっ? えーっ? そうなの?
風変わりな文字配列だったのは、オキツネゆえの曖昧? えーっ?
そっか。 一度お礼に行こうと思いつつ。
日常に埋もれて、忘れてた。(ごめんなさい)
どの稲荷神社にいくつものお社が配置されてるのは、土地開発で行き場のなくなった小さなお社を吸収しているからなのでしょうか。
王子神社の本殿?は神さまをお奉りしているようですね。
お賽銭をあげてお参りし、ぴんとこないままお礼を述べる。
辞して、ふと矢印に導かれて裏に回ると、いくつものお社がある様子。
1匹の狛狐(狛犬じゃなくて狐)に手を合わせているオバチャンがいらした。
狭い道をゆずるつもりで突っ立っていたら、話しかけられる。
「あっちにある石が重いの」とおっしゃるので、願い事をしてから持ち上げて占うみたいですよ、と夕べ、ネットで仕入れたネタを披露。
「そうなのよ、あなたも試す? こっちこっち」と連れて行かれる。
「動かないときは男の大学生でもダメだったのよ」
? ? ?
(え、何。 見てるわけ? 結果を待ってるわけ?)
ちょっと持ち上がり、ずるっと置く。
「よかったわね、お願い、叶うわよ! よかったわね!」
ありがとうございます。 がんばります。 ともう一度手を合わせているうちに、
オバチャンはいなくなった。
? ? ? 下町風の会話ってトコかな?
一番奥の「狐の巣穴跡」に上る。
心の中で、お友だちの名まえを呼んでみる。
いつもはここにいるの? 呼んだらすぐに遠くまで来てくれて、ありがとうね。
返事があるような、ないような。
あちこちにある狛狐をながめながら(対ごとに意匠が違う)、戻り始めて。
ある狛狐に呼び止められた(気がした)。
ああ、お友だちはこんな感じのオキツネなのかもな。 愛嬌、ふさふさのお尻尾。 対のほうに振り向くと顔が削られていたが。
数歩行き過ぎてから、戻る。
あなた? 鼻面を撫でてみる。 狐が笑ったような。
顔のある対を見る。 呼び止めてくれたけれど、あなたではないよね?
違うけど撫でてほしいと言われた気がして、鼻面を撫でてやる。
振り向いて。 そうか、あなたはここにいたんだ。
本殿を過ぎたあたりまで戻って、気がついたの。
そういえばあのオバチャンが最初に手をあわせていたのは、わたしのお友だちだったって。
うーん。
ずっと男子だと思ってたけれど、お友だちはオバチャンだったのだろうか。
それとも居合わせたオバチャンを、お友だちが動かしただけだったのか。
わからないわね。
帰り道。
涙がにじんできた。
大丈夫。 信じたままに進みなさいと、
ふんわり背中を押された気がして。