風邪?
うん。 ひいたんだと思う。 なら、早く寝てろ? うん。 だから寝酒してる。
正月の酒の残りをヌル燗にして。
醸造酒のアルコール臭が苦手だったけど、燗にすると飛ぶと気付いたの。
うん。 そんなに呑めないから。 とっくりに半分。
思いつきで、旨い味噌にアサツキとイリゴマとケズリ節を混ぜ込んみたら、やけに旨い。
で、少し、酔っ払ってる。
だからこれは寝るまでの、戯言。
いつだったか、芝居のネタにAVの監督とその妻、という設定を思いついたんだ。
仮面と本音。 我慢と逃げ。 屈折した葛藤がありそうでしょ。
だけど参ったことに、わたし、AVって見たことがない。 女ですもの。
だから。
大好きな男友だちにガイドを頼んだが、ケンモホロロに断られた。 恋人に? やだ、訊けるわけないじゃん。 そんなコト。 恥ずかしい。
男友だちは言ったよ。 それを誰かに訊くって時点で、劇作する意味はないんじゃないの? はい、その通りですね。
思い付きから手を引く前に、ま、これも記念だと。 エッチ系のビデオを見ることにする。
わたしですら知ってる監督の名で、2本。 ネットでDVDを買った。
一応、監督名は伏せておこうか。
で、その2本が、わたしのいろんなアンテナ(特に役者の扱いかな)を塗り替えたんだ。
以降、すべての価値判断が変わった。
これが良し悪しなのか、好き嫌いなのか、真偽なのかは、わからないよね。
あ、でも。 少なくとも、わたしには真偽だ。
ポーズする女優さんの描写。
ひとりの監督は「みだらな絵」として撮り。
もうひとりは「人間の感覚」として撮っていた。
女を「計算した絵」として撮られても、女のわたしはシラケるばかりで。 女優は熱演してるけど、実際は何もカンジテないわけでしょ。 カラミなんて、段取りにしか見えない。
一方。 女優の感覚を優先し、アクシデントなとまどいや驚きを含めてすくい取る表情は、魅力。 見ているこちらも細い糸に引かれる。 女優の感覚に。
そっか。
わたしにとっての魅力的な演出家のタイプを理解したの。
作品の好き嫌いの決め手も。
何が、人を感動させるか、とか。
以来、何を見ても。 区別できるようになった。
大河ドラマ見てても。 あれ、回によって演出が変わるでしょ。
役者を魅せられる演出と、ストーリーを説明しているだけの演出の違い。
わたしがときどき漏らす、感想の価値基準。 そのへんです。
あ。
眠い。 寝そうだ。 すまん、酔っ払いだね。
おやすみ。
いつのまにか、日付を超えてたんだね。
おやすみ。 今日も、いい日でありますように。 眠い。