あとりえあげん

劇作家・ミュージカル関連のコミックエッセイスト・多摩美校友会理事 活動ベースは三軒茶屋ですが八ヶ岳の別荘で在宅介護はじめました☆

[ブログ版] 世田谷区三軒茶屋で隠居してます。ときどき劇作家。HPはコチラ http://agen.web.fc2.com/

歳を重ねて

東宝の戯曲講座の友人たちが書いたテキストが、テアトルエコーで3作オムニバスのオーディオドラマとして上演された。
舞台の上でマイクを前に、ラジオドラマのように演じる。
前回はもうひとつピンとこないところがあったので、今回は早めの時間に行って前方の席を陣取ってみた。

今回の仕上がりが上質だったのか、テキストとの相性も含めて。
達者な役者さんたちの絶妙なテンションと間と表情に、客席は遠慮なく笑い転げる。

納谷悟朗さん。 
銭形警部や沖田艦長に声をあててる役者さんと説明すれば、納得される方も多いだろう。
調べてみたら81歳でいらっしゃる。 
女優さんにエスコートされながら、舞台に登場。 でも立ち姿は洒脱。
そして滑らかでしっかりとした発声で、魅力的に役を演じてらっしゃる。 惚れ惚れ。

終演後、そのテキストを書いただぁちゃんに、
ステキだよね。 「寝るか」の一言があんなに笑えるナンテすごい、とか言ってみる。 かの女はわたしの指を握りながら、「だよねぇ。 あの「さようなら」なんて、録音して着信にしたいくらい繰り返し聴いていたいよ〜」と、わけのわからないことを言っている。 あのさ、さようならと呼ばれてハイハイと電話に出るのかい? 

太田淑子さん。
リボンの騎士のサファイアや、ジャングル大帝のレオの声と説明すれば?
かの女だけでなく、おば(ぁ)さま方がみなさん、めちゃ元気でチャーミングで。
口跡もなめらか。 人生を真剣に楽しんで挑戦してらっしゃるなあ、と、わくわくする。

高齢な役者さんたちが、ちゃんと魅力的でいられる劇団の底力を魅せていただいた。
こういう役者さんたちを拝見すると、
無謀と思いつつ、自分も上質なコメディを書きたい気持ちが湧いてくる。

  

自分が50歳をすぎて、家に籠ったこともあるかもしれないが、ガクン!とからだと脳の衰えを実感している。
もの書きならば、だましだまし休み休み作業すればどうにでもなるけれど。
役者という身体表現者が年齢と向き合う重さに、内心ちょっとハラハラしていたのだが。

なんか大丈夫?と思い始めたヨ。