今回ご一緒したむっちゃん先生に教わった即効性のノド手当ては「もずく酢」。 ぬるぬるがよろしいとのことで、小屋入りしてからもおかあさんスタッフが買いに走ったりしてました。
うちの冷蔵庫にもなんとなく買い置き。 ついでにわたしも食べたくなるので。
メンタルなところが大きいから(と、チラリと誰かを見たりしてw)と、リラックスを暗示する。 大丈夫。 あなたはチャンと声がでます。 と、視点の先をはっきり指さす。
眉を上げずに目を開くと声が支えられる、というのも、むっちゃん先生のご指導。
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すごくアタリマエだけれど、専門家はすごい。 これは実感。
キャストを見ていて、もっとこんな声が出るはずというのはわかるけど、
その声を出させる技術をわたしは持っていない、と身に染みる。
美保さんの振り移し。 ダンス・バレエ用語って日本語じゃないもん。
そこ、〜〜じゃなくて〜〜なの、とか。
何を持って判断するのか、全然わからない。
ストレートプレイだったら、わりと全部、理解の範疇なんだが。
その、各専門知識が、キャストたちに別個、注ぎ込まれるのがミュージカルです。
応えるキャストもエラい。
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今回、3回公演で何故ダブルキャスト?ってね。
3月だったか、コトネが言いました。 「土曜日、運動会と重なりました」
本人、学校を休みますというけれど、中2に運動会を休ませちゃダメでしょうと美保さんもわたしも。
どうする?
日にちをずらして、小屋を探す?
いや、現状の中で方法はないかな、と美保さん。
結果、カトールナがクラスメートのカトーユナを連れて来ました。 (そんで当日お手伝いにはカトーリナさんがいたwww)
声優の勉強をしてたというカトーユナはこの1回が舞台デビュー。
ダンスの振り移しの日、できない自分から逃げ出してこっそりベソをかいてたコが2ヶ月後には立派な成果。 素晴らしいモンです。
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テキストの素材について。
美保さんから持ちかけられたとき、目黒の区民ミュージカル(ちゃんと予算も貰ってた)の生き残りの女の子たちが4人いて、年に数度のダンス発表会とかしてるんだけれど。
がんばっているから、小さなミュージカルをやらせてあげたいのよね、と。
だから最初の発想は、女の子4人イコール『若草物語』のエピソード、でした。 うん、シリーズ化の下心あり。
女中のハンナに男性キャストを連れてこれないかな、とか。
で、そのダンスやらのDVDを見せてもらい、
う゛ーーーむ、
歌と踊りはともかく、芝居はかなり無理!から発想しよう、と。 (ごめん)
でもかぁいい女の子たちがにこにこと歌って踊っていれば、それだけでも最低限のショーにはなるから、どーにかなる!と判断。 (ごめんごめん)
知る限りに単純な童話って何だろうと考え、至ったのが『赤ずきん』。
原作つきにこだわったのは、集客に有利かなという判断から。 説明がしやすいでしょ。 「まったくオリジナルな赤ずきんのお話なの!」 ね、22文字。
赤ずきんを双子にしたのは、ひとりの気持ちの裏おもて(葛藤)を会話にするため。
ただ、善悪に振り分けるのは芸がないなぁ。
あと長い台詞を分割して振れば、リズムをつけやすい。 (これは小鳥たちにも応用)
そっか、狼も女の子になるわけだ。 気弱な狼。 クラスメート。 うん、いいかも。
で、問題はどうやって舞台上で「狼が赤ずきんをぱっくりと喰う」シーンをつくるか、だ。
狼ががおーっとして、ぱっと暗転して次のシーン、なんてダサイ処理は絶対に、ヤダ!!
さてさて。
ところで、赤ずきんがディズニーネタにならないのは、性的な暗喩が大きいからだそうです。
(祖母に化けた)狼が女の子をベッドに引きずり込む話、ですからね。
そこから派生した作品群には、ゆえに、たくさん吊られたシーツと女の子のショットという写真集があるとか。
お、部屋(舞台)中に吊り込まれたシーツって、ビジュアル的に美しいな。
出入り口が4箇所あればシチュエーションコメディが成立するといったのは、あっちゃんや圭介くん。
その中で狼は、赤ずきんたちを騙してまで、何かをしたい!わけだ。
その時点ではキャストの参加人数も未定だったので、人数の調節可の森の動物たちというクラスメートを設定。 (最終的には小鳥の三羽隊)
と、ここまで考えて、おはなしが成立したと確信。 妄信。
プロット書いて、第1稿へ。
劇作友人たちの感想を踏まえ(なるほど! その通りです!)、第3稿で台本に。
そのあと、稽古場で動くのを見ながら、聞きながら、細かい修正。
やがて「我慢してたけど、やっぱりこの台詞はカユイから消させて」と美保さんに数箇所を切られ、憤慨もするけれど、それが観客に近い声だと納得もし。
最終稿は、これから仕上げます。
(ふぁぁ、ボーカル譜つき、ミザンス例つきの最終稿だ。 どきどきどき)
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おとなキャストを絶対にひとり、入れてくださいとお願いしたのはわたしです。
舞台ではいつ何が起こるかわからない。 でもそのとき、パフォーマーたちはスタッフたちからは手の届かない世界に浮遊している。
コアにブレないでいてくれる存在が必要だと考えたのです。
が。
こうして、引き受けてくれた高尾百合サンが、
結局3ヶ月半にわたり、稽古のペースとか、チームワークとか、
つまりわたしの言う、子守とか子守とか子守とかをありがとう!!!な役割までを、
引き受けるハメになったのでした。
ありがとう。 ご自身も稽古のかけもちでお忙しかったのに、ほんとに申し訳なかったです。
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1年半前、自分が主催となって自主公演を打ったとき、たくさんのメンバーに「それは違うから違うから違うから」といろいろと別個に仕込まれ、
それが、わたしのすごい財産になってることも実感しました。
美保さんのユニットなので一応黙っていたコトも多いのですが、
迷わずに判断して動けること、先回りに手をうてたこと。 数多し。
その節はお世話になりました皆様も、ありがとうね。