あとりえあげん

劇作家・ミュージカル関連のコミックエッセイスト・多摩美校友会理事 活動ベースは三軒茶屋ですが八ヶ岳の別荘で在宅介護はじめました☆

[ブログ版] 世田谷区三軒茶屋で隠居してます。ときどき劇作家。HPはコチラ http://agen.web.fc2.com/

陽気=必死の

「戦国の乱世を終わらせ、日本に統一をもたらす原動力となったとされる鉄砲」

朝日新聞.comのニュースサイトにこんな一文があり、ぎょっとするのはわたしくらいでしょうか。
記事の内容は、「秀吉軍の戦略物資・鉄砲玉の鉛 東南アジアからも調達」という見出しで、学術的な発見の報告です。

現代の乱世を終わらせ、日本に平和をもたらす原動力となるものが、暴力。 であるって言ったら、大騒ぎでしょうに。 ・・・・・・大騒ぎにならなかったら、もっと怖いが。

暴力は短絡的な解決方法で、爽快感も否定できませんが。
疑問を持ち続けることは必要です。
「愛は全てを許し、救う」的な大嘘よりかは恥ずかしくないけれど。

 

かんわきゅうだい。

 

今日は出掛けに駅近くで、ビッグ・イシューの販売者と遭遇。 三軒茶屋ではあまり見かけないのです。
一部お願いしますと言うと、びっくりした顔をされます。
人々がアタリマエに買う社会が、いつかはくるといいなあと思うけど。

500円玉を出したら、恐る恐るまだお釣りが出来ていないとおっしゃるので、じゃあ500円でいいですと答える。 チップの習慣がないから、わたしはこういうとき自分はナニサマだ?と少し苦い気持ちになります。
でも今日の販売者は喜んだみたいで。
そのあと、必死に陽気な会話を繰り出してきたのです。

お正月はあの場所にいるので新刊よろしく、に始まって(ごめんなさい。わたし東京にいないんですよ)、
いつも自分が流しているエリアはどのへんで、どんなふうで、
ご自身は75歳で、青森出身で、お名まえまで。
その合間に、どちらに帰るんですか? 北海道ですか?(なんで北海道?)とか。

約束の時間があるのでわたしは立ち去りたいんだが、
なかなか離してもらえず。

と、困りながら。
相手の目の中にふと、売り込みとは別の必死さを感じたのでした。

なんだろう。
自分を知って欲しいという必死さ。
誰かとつながりを持ちたいという必死さ。

もしかしてそれは、
思っている以上に根本的な、人としての欲求なのかな、と。

いい年越しができるといいですねとご挨拶をして、ようやく立ち去ることができました。
痛ましいと眉を顰めるのは簡単だが、たぶんそれは偽善。

わたしにはただ、
ビッグ・イシューを見かけたら買ってね。 たくさん売れるといいなと
祈ることしかできません。