あとりえあげん

劇作家・ミュージカル関連のコミックエッセイスト・多摩美校友会理事 活動ベースは三軒茶屋ですが八ヶ岳の別荘で在宅介護はじめました☆

[ブログ版] 世田谷区三軒茶屋で隠居してます。ときどき劇作家。HPはコチラ http://agen.web.fc2.com/

『中国の不思議な役人』を観た

友人からのメールの最後に「お掃除は順調?」と書かれるのは、この連休に持ち物の半分を捨てる!と宣言したからナンだが。
結局、五日とも何かしらがあり。 返事は「無理!」
ホントは今日だけは、空白のつもりだったんだが。 ……だが……。

     [E:crying]  ええ。 自分のせいです。 観たかったんだもの。

 

2009.9.23. 14・00〜 PARCO劇場 

寺山+白井+平 というメニュウに惹かれ、
開演3時間半前に検索したらチケットが取れた。
ん? PARCO劇場でZ-13といったら、……前から3番目のセンターブロックです。

芝居の入り口のめくるめくシーンでちょっとギクシャク感じるのは、若手2人を育てる稽古に時間がかかりすぎたせいなんだろうなと思う。
でも、要となるふたりが、全編を通してちゃんと意味を理解してそこにいたので。 大目にみよう。
全体に、もう少し動きがコナレてきたら、ムチャクチャ素敵な舞台になりそう。
いや、すでに素敵なんですが。

人形とか、切り抜かれた紙とかいった「モノ」と、なまめく肉体。
音楽、歌声、魔法のような光。 切り裂かれる火花。

犬のお面を使ったかっこいい振付けは、この不慣れそうなメンツがよくぞここまでこなした!って感じかな? (振付が元「水と油」の小野寺さんでした)
後半の鏡のトリックとかも大好きなシーン。 

寺山修司という田舎の肉体と、白井晃という都会の頭脳が織り成す、魔都上海のファンタジー。
平幹二郎という大立役者が、ゴロンと芝居のひとつのパーツとして存在している。 すげぇ。
あるシーンでは鏡の影のひとつとして無言で立ち、はける寸前にゆらっとブレた。 くらくら。
もっとも、たぶん理生さんが書いたっぽい軽やかな台詞(寺山の作は数人の弟子たちの代筆が、本人らもわからないほど随所に絡み合っているといわれる)を、重く実感を込めて吐かれたときは……。 これはこれで……? いや、うーん。 ……ま、いっか。
エロいジジィの愛撫が、たまらん。 からだに接触してないキスが、よっぽどえっちぃ。
やっぱり存在感にノックアウトだ。

 

シェークスピアをいろんな人がいろんな切り口で分解して演出するように。

寺山作品も、天井桟敷とは違うテイストで、分解演出したらどうなんだ?と初めて思った。
呪縛はキツいと思うけれどね。