あとりえあげん

劇作家・ミュージカル関連のコミックエッセイスト・多摩美校友会理事 活動ベースは三軒茶屋ですが八ヶ岳の別荘で在宅介護はじめました☆

[ブログ版] 世田谷区三軒茶屋で隠居してます。ときどき劇作家。HPはコチラ http://agen.web.fc2.com/

「岸田國士を読む!」を観た

           2007/8/11   Aプロ/14・00〜 Bプロ/18・00〜  相鉄本多劇場
                                /横浜リーディングコレクション

というわけで、4人の演出家による岸田4作品のリーディングです。
正統派から、ここまで壊したら岸田センセイも苦笑いするしかないだろーなあ というのまで、絶妙なバランスでまとめてありました。
戯曲セミナーの世話役の楢原サンが、内1作品を演出していたのと、
以前のセミナーで「紙風船」について勉強したのだけれど、何がいいのかオモシロイのかが全然わからず、だから役者の声を通した空間に触れてみたかったのと。

今回のリーディングはねえ、
ホンを壊しに壊しても、逆に楽しめてしまったのでした。 
リーディングという括りの中では、それはルール違反では?ということのオンパレード。
ただ、
どんなに壊そうとも人間描写が流石にしっかりしているのと、
それでも救いようのない古臭さを、演出家の作風に乗せてうまくボカしてしまったのとで。

なんか芝居としては下手でも、勢いだけでお客を天国まで楽しませてしまえるんだなあナンテ、どうしようもない感心をしてしまったり。
でもやっぱり、それは最後に上質で刹那い空間を魅せてもらえたから、笑い話に出来るのだろうなと思ったり。

紙風船」 いい作品なんだなあと、しみじみわかりました。
役者サンの声で、言葉の向こう側がいっぱい立ち上がってくるのね。
オトコの純情、やりきれなさ、哀しさ。 愛。 きゃー、そりゃステキだったんだよ!