あとりえあげん

劇作家・ミュージカル関連のコミックエッセイスト・多摩美校友会理事 活動ベースは三軒茶屋ですが八ヶ岳の別荘で在宅介護はじめました☆

[ブログ版] 世田谷区三軒茶屋で隠居してます。ときどき劇作家。HPはコチラ http://agen.web.fc2.com/

父に

父は、今年の1月で80歳を迎えた。
前後して、いろいろと考えることはあったのだけれど、
(山の家で、ひとり暮らしさせてていのか、とか。 わたしの生活との兼ね合いとか。 etc. )
お祝いを買うのを、すっかりと忘れてた。 80歳の誕生日、なのに。

ごめん……と言えば、
当然、親は、いいよ、と応え。
甘えて、そのままになってしまった。

 

が。

 

仕事柄、記念品の文字入れとかするのだけれど。
季節的に、受勲記念とかあって。

勲章、か。

そういえば父は、
女子中学・高校の教諭として世の中にかなり貢献したけれど、
政治的なつきあいは苦手で、立ち回れないから、
こういう受勲とは縁がないだろうなぁ。 と思う。
賞されて十分な、人生だったと思うが。

世の中には、そういう人がたくさんいるんだろうな。 とも思う。 きっと。
むしろ日本は、そういう人たちによって支えられてきたはずなのに。
そうしたら、
誰が褒めればいい? 身内、か? 身内だな。 不肖、の。

 

不肖の身内です。 わたし……。

だいたい
父が勤め、わたしが通った女子学園は「良妻賢母」をモットーとしていたのだが。
校長となった父の娘で、しかも卒業生であるわたしは、
自分に妥協せず、結果、結婚もせず母にもならず。 (すいません。 ホントに)
ずっとあとから気がついたのだが、
父の立場はかなり微妙になるはず、だった。 たぶん。
え?
父はね、学校の教育方針を替えました。 (意識的かどうかは、怖くて聞けない)
国際的に通じる女子教育、とかナントカ。

明治時代の創始者の言葉が、すでにそのままズバリだったそうだから
反対意見はなし。 
ネイティブな英語の先生とか、中国との交換留学とか、がしがし導入。
わたしの時代には「おじょーさま学校」と言われてましたが、今ではそこそこの受験校。
少子化から客(生徒)の取りあいをしている他所様とは別に、学校としての評価もまずまず。

一方で。
制服の縛りをちょっとだけ緩和。
当時、ダンサーバッグを持ち歩いていた(コーラスラインとか、フラッシュダンスとかそういう時代だった)わたしを見て、学校指定のサイドバッグのバリエーションにしたり。
肩を超える長さの髪はふたつどりか三つ編みのみ、だったのをひとつどりもOKにしたり。(ホントはポニーテールもOKにしたかったそうだが、さすがに通らなかったらしい。 笑)

今では母校の生徒の母親となってる友人からは
「先生のおかげで」 とか 「せんせいのせいで」 とかと
未だにコメントされるわけだが。

 

さて。

品物を決めて、どこで買えばいいのか途方にくれた。
デパートかなあ。
moriがデパートだと、正価だから高いんじゃない?というのだが、
保証書の印はしっかりとした店のがほしいしなあ。

今日、新宿に出たついでに南口のタカシマヤに。
1階インフォメーションで売り場の場所を尋ねたら、扱ってるかどうかを確認してくれたのだが、フロアにいってみると、ない。
尋ねると、ショーケースには出していないんです、と
椅子に座らされ、しずしずと目の前のテーブルに10個ばかり並べられた。

選びようが、ない。
スイス製で、ムーン・フェイズがついてて……に、該当してるもの、ひとつ。
値段?
うちにあるリュージュのオルゴール(スイス製)と同じくらい。 
おほほほほ。

今、
レーザーで、裏になんと刻むか、考えている。
「80 years old, congratulations!」
「祝 80歳」
それとも無難に、名まえだけか?

 

ね、
おとうさん、これ読んでる?
今度、会うときをお楽しみに。 (って、読めば何を選んだかは、バレバレだね)