……って、酒、ほとんど飲めないでしょうがと突っ込まれそうです。
某雑誌に「女性がひとりで嗜む日本酒」みたいなエッセイがあって、それがエラクかっこよかった!
その方のこだわりが、絶対に純米酒、つまみはごく単純簡単なもの、いろんなmyおちょこ。 わおっ、真似したいっ。
通りかかった解体直前のビルでフリーマーケットしてて、嘘みたいな値段でそこそこなグラスや靴を買い、ついでに手びねりっぽい黒のおちょこを買う。
安物、なのだろうけれど、やたらと景色というのか、雰囲気がいい。
はい、まずモノありき。
次の日スーパーで、冷酒の棚でラベルを見ながら純米酒を選ぶ。
フライパンに焦げ目をつけた厚めの「あげ」をざくざくと切り、香菜を刻んだのとおしょうゆをじゅっとかけて。
おいしかった。 それなりに。
5合瓶というのかな? それからじかにおちょこに注ぐのが、どーも無粋だ。
近所の食器やで、片口っていうんでしたっけかね、あれ。
そしたら、揃いのおちょこもありますよと、2個並べられてしまいました。
はい、今は出窓に飾ってありますけど。
最初の1本。 (名まえもメーカーもチェックしてなかった。 ハマる予定はなかったので)
冷酒でのんでいたのだが、ある日、冷蔵庫にしまい忘れる。
次の晩、しかたなく常温で飲んだら、……うまい。 こっちのほうが好きだ。
相変わらず、スーパーで冷酒の棚。
出会いはこれだった!
どう表現すればいいかよくわからないけれど、声を出して「おいしい」。
舌の中ほどを転がるうまみが心地よく、もっと飲みたい!と思ってしまう。
いきあたりばったりでつくる簡単な夕食。 うどんであったり、豚汁であったり。
純米酒、合うのよ。 ああ、しあわせ。
そして、3本目を買う。 会社帰りの深夜。
店の片隅で携帯電話にどなっていたおっさんが、ふとわたしを見て言葉を失う。
ちょっと上等なコートとマフラーのおばさんが、片手に日本酒のびんだけを下げてる図に、見とれたのか、アキレたのか。
家に帰り、まずそのまま(冷酒)で口に運ぶ。
うわ、純米酒って言っても、ここまで味が違うの?
フレッシュできりりとしている。
……やっぱ、気に入ったのにしとけばよかったのかなぁ……。
次の日、って今日なんだけれど。
気がついて、レンジでぬるくチンしてみる。 「ええ?」
口と鼻腔いっぱいがフローラル(……なのか?)。 別の飲み物になった。
しかし、覚めたらぴりぴりととげとげしくて、おいしくなくなっていた。
(これはレンジでチンだからなのかなぁ)
それにしても、純米酒。 奥が深すぎ!
ひとりでてきとーに飲んでて、これですから!