「負けちゃったけど、いい試合だったよねー」……本日のわたしの布教活動(?)です。まず最初に言う。悪口だの愚痴だのを言いかけていた相手は、一瞬黙り、しぶしぶとわたしに話をあわせるしかない。ふん。
え? 起きましたよ。負けるとわかってるサッカー・ブラジル戦を見るために、3時55分。目覚ましを叩いて、(ホントに起きるのか、自分?)と、自分に驚いた。掛け布団をずるずるとTVの前まで引きずり、クッションに埋まって半分寝ながら。ナイター照明の下、青と黄色と白とローングリーン(芝生)の、現実感の欠ける鮮やかさ。半ば悪夢に埋まっている気分。
ブラジル、すごいや。2軍なのに、スピードとキレが全然ちがうじゃん。別のスポーツが始まったかと思ったよ。引きずられて、日本も走る走る。あーあ、それじゃあ後半までもたないよー。ま、いいのか。悔いが残らないためには。「サムライブルー」という実況の言葉に、突然ぎょっとする。キャッチフレーズとして何度も聞いていたのに、今まで思いもよらなかった。サムライ。生き様ではなく、死に様に美を求める? 君たちは、サムライをそんな意味に考えたりも、したの? そしてブラジルから、ぽすんと1点を取ったとき、……泣いた。もう充分だよ。よくやったよ。案の定、(それでも)ちんたらしていたブラジルに、少しだけギアが入っちゃって、がんがん点をいれられちゃった。そうだよ、大敗したよ。でも、人間として、負けはしなかったじゃん。それがとても、ステキに思えた。
日本にとって、いい勉強会だったんじゃないかなあ。サッカー以外の意味も含めて、ね。日本人の生き方というか、スタンスというか、方向がね、見えた気がしたの。気張りすぎず、見得も張らず、精一杯に力いっぱいに、強敵にすらチャント向き合う。詰めで気を抜かない、基本的なスタミナをつける、思い上がらない……。あの気取りやサンの中田ヒデが人前で泣いたみたいな、素直さ、純情。
そう考えると、最初にあーいう負け方をしたのが、実は有意義だった気がしてくる。緊張とかしているどころでなくなって、自分の持てるものを発揮できたんじゃないかなあ。昔、某劇団に近しかった頃、某役者クン へ(^_^)ノシ の初日のパターンを思い出す。あんなに稽古したのに、最初の1歩1歩からすごい緊張してて、はらはらさせられて、で、弾みで少しトチると、緊張から開放されて、ぶぁぁっと役が広がっていくの。(実は、今もそうだったりして?)
はああ、で、やっぱり。今日は少し慎重にゆっくりと、お仕事しました。寝不足の判断力は、自分でもしんどく、ヒヤヒヤでした。